第11話 -5 ページ46
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そう言うと、Aは笑った。数秒前のぎこちない笑顔とは違う、完璧な笑顔だった。眉をきりっと吊り上げ、目に光を宿し、歯を見せて笑う。絵に描いたような、完璧な「ヒーロー」の笑顔。
Aの表情の変化に緑谷は思わず言葉を失った。一瞬でこんな笑顔を作れるのか。作る？彼女はこの顔を──
「わたし、教室に戻るね。さっきも言ったけど、一応保健室で診てもらってね」
「あっ、うん！」
Aは緑谷に微笑みかけると、踵を返して校舎へ向かった。その微笑みは解けるように自然で、余計に先ほどの笑顔の違和感が緑谷の胸に残る。
けれど、かける言葉もわからず、どうにもできない緑谷は、小さなわだかまりを抱えたまま保健室へと歩き始めた。
爆豪勝己は苛立っていた。人生でこれほどイラついたのは三度目だ。一度目は、中学生のとき敵事件に巻き込まれたとき、二度目は雄英の入試結果を聞いたとき。そして三度目。
怖いなら話しかけなければ良いのに。目障りなら無視すれば良いのに。邪魔なら力で押し退ければいいのに。
恐怖で震えながら自分の前に立ちはだかるその姿は、彼の一番嫌いな奴によく似ていて。
(あんなクソウゼー奴が2倍に増えたなんて、そんなウゼーことがあってたまるか)
暴れるような苛立ちは治りそうもない。あたり一帯に響く大きな舌打ちをした後、目に入ったゴミ箱を思い切り蹴飛ばした。
次回＞>ちびっ子Aちゃんが登場するぞ！
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びっくり。もうトータル50話行っちゃいそうです。
次の小説に移るときはトプ画を用意したいけど、それはまだだいぶ先になっちゃうかなあ。
一つの小説でどこまで話を進められるかわからないとトプ画が描けないの、はがゆいですね。ほら、トプ画と内容がズレてたら恥ずかしいから…
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作者名：いわき | 作成日時：2022年10月13日 1時
