第5話-4 ページ21
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「わ〜！もちろん、覚えてるよ！久しぶり、全然気付かなかった！すっごく変わったね〜」
「まあそりゃ、小学生から高校生だからね…」
Aも旧友との再会に目を輝かせる。Aの言葉に、物間は照れるような、呆れるような表情で目線を逸らした。
「物間くんもヒーローになりたいって言ってたもんね。合格おめでとう〜！」
「あ、ありがとう…Aさんこそ、おめでとう」
「えへへ、ありがとう」
Aは満面の笑みを物間に向ける。物間は視線を今度は反対側に逸らした。Aはにへらとだらしなく口元を緩ませる。
「なんだか懐かしいな。物間くんが引っ越しちゃってから、もう会えることないと思ってたのに…」
「僕もだよ。まァ、考えてみればヒーローを目指していればどこかで会うことになってたかもしれないけどね」
「確かに。でもまた会えて本当に嬉しい！」
「……。」
ぱあ、と花が咲くような笑顔を見せたAに、物間は曖昧な笑顔を返した。けれどその頬は赤みが差し、口元は言葉を探すように動いている。
物間とAは小学生時代の同級生だ。人懐っこいAと、年齢より大人びていた物間。親友とまではいかなくとも、二人は仲の良い友人同士だった。
「そうだ、Aさんがいるってことは、結城さんもやっぱり雄英に来てるのかい？」
「──！」
物間は思い出したように、何気なくAに尋ねる。しかし、その言葉を聞いた途端Aは顔をこわばらせてしまった。
『結城さん』──結城愛佳は、同じく物間とAの同級生であり、Aの大親友だ。二人はいつも一緒にいたため、物間は愛佳とも仲が良かった。
そんな友人の話を振られたというのに、Aはどんどん表情を曇らせていく。
「あ、えっとね、愛佳は…」
「ごめん、ちょっと通ってもいい？」
次回＞＞1-Aの優等生3人に流れる微妙な空気！
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作者名：いわき | 作成日時：2022年10月13日 1時
