幕間 Kの責任 ページ43
俺が受け持つクラスは、問題児だらけのクラスだ。
中でも特筆すべき問題児は、俺の胃をフル攻撃してくる入間と…妙な違和感を抱えた優等生アスモデウスだ。
入間については、特に言うことは無い。あいつが理事長の孫、それだけで全ての理由は帰結する。
しかしアスモデウスは、成績や立ち振る舞い全てが優等生のソレでありながら、問題児クラスにいる。クラスの良心とも言えようが、このクラスに入るには優等生
「アスモデウスくんには、気にかけてあげてくださいね」
とストラス先生に言われ、
「アスモデウスくんのこと、よく
と理事長に言われる。
あいつには一体何がある?
一見ただの貴族出身のそれなりに礼儀を弁えたガキのように見えた。
しかしある時は、理事長の無茶な指示をすんなり受け入れたかと思えば、俺の指示には楯突くし、入間の手綱を握る唯一かと思えば、本人は入間をどうやら毛嫌いしている。
思春期特有の矛盾を抱えまくった面倒くささを感じさせる。
常に何事も手を抜かずに取り組むものの、どこか冷めた視線で物事を見ているきらいがある。
不安定なその危うさは、確かにストラス先生も手を差し伸べたくなるのだろう。
そして俺も知らない…いや誰も知らないはずの謎の木について、さも当たり前かのように話す出自不明の知識。
何を抱え込み、何を見ているというのか。
いくつかの疑惑のある生徒ではあるが、
あいつがバビルスの守るべき生徒であることに変わりはない。
だからこそ俺は、アスモデウスをしっかりと見てやらねばならない。
その疑惑を手放しにしておくほど、俺は無責任な教師ではない。
まずは、そうだな。あいつの家について調べるべきか。それから……あいつの妙な知識について探らねばなるまい。
シチロウにもお願いしてみるか。
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作者名:南条 | 作成日時:2021年10月13日 21時