36 位階上げは悪魔の誉…? ページ39
「アズくん!ちょっといいかな?」
朝のHR前ジャズたちと喋っていると、入間が話しかけてきた。毎朝入間はクララやサブノック達と話すことが多いので少し珍しい。俺に用ということなので、一応席を立っておくか。輪から抜け出し、入間の方へと向かう。朝からなんの用だ入間ァ
「なんでしょう」
「えっと、いきなりごめんね。少し聞きたいことがあって…アズくんってこの学校に詳しかったよね?」
「はい、それなりに知ってます」
「じゃあ位階を上げるにはどうしたらいいのかな…?」
驚いた。ついに野望を成し遂げるための第一歩を踏み出すのか。初めて会った日に言っていた彼が魔王になるという野望…そうだよなあ主人公はそれぐらい熱くなきゃなあ。
「してなぜ私に?」
「えっ。アズくんって色々知ってるし…僕のこともその、知ってくれてるし…」
いやお前のことなんも知らねえけど!?もしかして野望のこと?そんなに秘密にしたい野望だったの?
「だったらアズくんしかいないかなって…」
捨てられた子犬みたいな目で俺を見るな!
「あー…はい。位階ですね。位階昇級は定期的に授業内で行われる『位階昇級対象授業』にて結果を残すことで決まります。次は『処刑玉砲』ですね」
「しょけいぎょくほう…?」
初めて聞きましたという顔を隠そうともしない入間。
そうだったー!入間って施設育ちの常識ゼロ悪魔だったー!そりゃ学校で習う処刑玉砲のこと知らないよな…
「も、もし良かったら詳しく教えてくれない…?」
「…いいですよ」
もー全く仕方ないなー!
初等学校で習うようなことを、色々と掻い摘んで説明した。
昔の故事に倣った
「そうなんだ。ありがとうアズくん!」
「いえ。何となく分かりましたか?」
「うん。1度やってみないとどうにも分からないところはありそうだったけど…」
「では、昼休みに実践しますか」
「えっ!いいの?」
キラキラと目を輝かせてこちらを見上げてくる。
うっ期待全快の顔をされると少し身構えてしまうな…
別に入間が可哀想だとか、そんなこと思ってないんだからねっ!暇だったから、ちょっと付き合ってあげるだけなんだからねっ!
「ええ。では昼食後に地下運動場に来てください」
「うんっ!ありがとう!」
ルンルンと去っていく入間。
これから怒涛の主人公ロードが始まるんだろうなあ…
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作者名:南条 | 作成日時:2021年10月13日 21時