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3 まさかな ページ3

「そうせざるを得なかった理由が…?」
「私にはわからん。理事長が考えていることなど、一般教師には到底図れるものではないしな」
「つまり特に意味はない、と?」
「……いや、意味はおそらくある、はずだ。深い意味かはわからんが」

理事長自由人すぎる!まあ、式の挨拶で大袈裟に孫自慢してたし、なんとなく想像つくというか…

「ハァ……理事長の野郎」

げっそりと頭を抱えながら、ため息を吐くカルエゴ先生に、少し同情してしまう。この人苦労人なんだろうなあ。

「しかし何の連絡もせずに、勝手に変更してしまったのは申し訳なかったな」
「いえ…。理事長が決められたことであれば、特に言うこともありません」
「…そうか。そう言ってくれると助かる」

少し拍子抜けしたようなカルエゴ先生に、俺は気にはなったが、そのままお礼を述べて職員室を退室した。

「……プライドがあるのかないのか」

その後の教師の呟きを俺は知らない。

__

職員室を出た俺は、用事も住んだので帰ろうと校門へと向かっていた。

しっかし特待生入間は、よくもあの場で禁忌呪文を唱えられたものだ。舞台の上で数千の目に見つめられる緊張感で、1文字も間違えることなく唱えることは相当度胸のいることだ。
俺は人前に立つことは家系上慣れたことだが、理事長という権力者の孫もそれなりに大物ということだろうか。

…ところで今思いついたんだが、もしかしてあいつが主人公だったりしないよな?
今まではこの世界は俺のために作られたものだと思ってた。お約束ラノベの典型パターン。ハーレム作って魔王倒すとかそんなの。前世の記憶持って転生するやつなんて俺ぐらいだろうし、そうなると必然的に俺しか主人公はいないでしょ。

しかし、入学式でのあの大物っぷり。見た目は平々凡々なのに、実は魔王を凌ぐほどの力をもってて、これから俺TUEEEEをする人物なのでは?『俺、またなにかやっちゃいました?』と、自分の持つ絶大な力を隠そうともせず見せびらかしていく系の主人公では?

まてまて!!そんなはずない!!
恵まれた環境!そして勝ち組とも言える容姿と頭脳!このキャラクリは完全に主人公のソレだろ!?

というか鈴木入間ってまんま日本人名じゃん。この悪魔界に、日本的な土地とかあったっけ?今まで会った悪魔はみんなカタカナ名だったけど。疑問が残るな…

「鈴木入間…」
「はっはひっ な、なんですか…?」

ふいに声がしたと思ったら、後ろに入間が。
えっご本人登場?!

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作者名:南条 | 作成日時:2021年10月13日 21時

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