【魔入間】アスモデウスは入間軍に入らない (ページ19)

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18 トモダチページ19

話している途中で配布教室へと着き、新入生に必要な教科書を全て受け取ったあとも、俺たちは溜まりに溜まったフラストレーションを吐き出していた。

家族への不満から、魔術の話やアクドルの話、漫画の話など、何故か不思議と話は繋がっていき、俺たちは思いのほか仲良くなっていった。
初めてこんなに打ち解けた。ジャズが中学生にしては大人っぽい見た目で、大人っぽい考え方だったからだろうか。

｢あーうっかり話し込んじまったな｣

いつの間にか外は赤くなっている。
まだ位階(ランク)も決まっていないうちは、庭園と食堂ぐらいしか利用出来ないので、庭園のベンチに座って話し込んでいたのだが、全く気が付かなかった。

｢正直お前のこと、特待生に決闘を挑んだって聞いてたから、もっとプライドの高い血気盛んな奴かと思ってたけど…いい意味で裏切られたわ｣
｢あれは…まあ、色々あったんだ｣
｢そだ、連絡先教えてくれよ。このままの縁にしとくにはもったいないだろ｣
｢…そうだな。私もまた話したい｣

ここに来てようやく友達をゲットした！！！！
やべえ、超嬉しい。俺がコミュ障だから悪魔とは友達になれないんだと思い込んでたけど…そうじゃなかった！

｢なーににやけてんだよ｣
｢い、いや。ずっと1人だと思ってたから…｣
｢…バーカ。もうちげーだろ｣

ジャズの笑顔は眩しい。友達、友達…友達第1号。
俺ようやく青春への第一歩を踏み出せそうだ。

そうして俺たちは解散した。クラス分け一緒になるといいな、なんていかにも友達みたいなことまで言ってくれて… 俺はもう泣きそうだよ。

それからクラス発表までは自宅で束の間の余暇を過ごすのだった。

今夜のディナーは久しぶりに母上と一緒だ。
テーブルに並べられた、一級品の食事を口に運びながら、母上はニコニコと俺の方を向いておしゃべりをする。

｢アリスちゃんならどのクラスに行ってもすぐに高位階(ハイランク)になりそうね｣
｢…善処します｣

別に高位階(ハイランク)になることは望んではいないのだけど、まあ次期当主として体裁は大事だからな。俺はそんな母上の言葉に、歯がゆい思いをしながらアスモデウスとして正しく答えた。