15 職権乱用! ページ16
そうこう適当に入間と駄弁りながら、時間を潰していると、いつの間にか講堂には人がいなくなっていた。
どうやらようやく儀式は終わったようだ。
「待たせたな。まずアスモデウス、お前だけに話がある。入間は待て」
こちらにやってきたカルエゴ卿は、俺を連れ、入間に聞かれない所まで離れてから本題に入った。
「話、とは?」
「アスモデウス、お前にひとつ頼み事がある。お前は見たところ、礼儀や礼節を大切にしているようだから、そのお前を見込んで、だ」
「して、何を?」
「入間のお目付け役だ」
「……はい?」
えっ面倒くさっ!主人公と仲良くはしておきたいけど、四六時中は嫌なんだが?
「入間は"あの"!The適当理事長の孫だ。これから先何をしでかすかわかったもんじゃない。あいつは絶対に俺とソリが合わん。しかし俺は教師だ、ソリの合わない生徒も指導していかないといけない」
あー…教師ってそこら辺大変だよね、職場環境は変わらない上に、生徒は大抵問題児だし。精神すり減りそうな職業だよな。
「そこでお前は入間と行動を共にしており…まあ問題行動は起こしたが、お前ならあの入間の手網を握れるんじゃないかと思った」
なんでだよ!
「なのでお前には入間のお目付け役をやってもらいたい」
「それ教師の責務を放棄してませんか?」
「…なに?」
「まるで私を駒のように指示してますけど、それに従うような関係性はまだないですし、先生の都合を私に擦り付けるのはどうかと…」
そこまで言っておいて、はっと気づく。ド正論ぶちかましたけど、カルエゴ卿をsageた発言をしてしまった。やっべえ!俺カルエゴ卿に媚び売ろうと思ってたのに!初手やっちまったー!
「ほう…教師に楯突くか」
そういうとカルエゴ卿は黒い笑顔を浮かべながら、何やら俺に向かって大きく手を振りかぶる。
悪魔にとって、相手を恐怖させることは主従関係を決するものである。畏怖を抱かせた時点で勝ち。おそらくカルエゴ卿は俺に何らかの魔術を見せて、上下関係をハッキリさせるつもりだ。
そんなもんさせるかー!
咄嗟に炎の剣を作り間合いを取ろうとした時、俺とカルエゴ卿の間に、入間が滑り込んできた。入間は何故か俺の目の前で手を広げて庇ってくれたようだった。
何その主人公ムーブ!?
さすがに無関係の入間に手を下すのは、はばかられるのかカルエゴ卿の手も止まる。
「だ、ダメです!」
「…貴様何をしている?」
「殺しちゃダメです…!」
えぇ…(困惑)
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作者名:南条 | 作成日時:2021年10月13日 21時