14 待ちぼうけ ページ15
使い魔召喚が終われば今日はもう終わりだと思っていたから、なんとも嫌な待ちぼうけだ。しかも心当たりが無さすぎる。怒られるようなことしたっけ…？いや、したな。入学して早々騒ぎを起こしたわ。
そのことについてなのか？それしか考えられない…。
｢アズくん、どこで待ってよっか｣
入間の顔色は優れないが、俺と一緒に待つことを受け入れている。切り替えの早い男だ。
｢いつ終わるかも分からないし、講堂の隅にでも移動しますか｣
｢そうだね、いつになったら終わるんだろうね｣
入間が遠い目をする。待つとするならおそらく1時間くらいだろうか。手持ち無沙汰の1時間を潰すのは骨が折れる。
｢…しかし、まさか悪魔を使役するなんて流石ですね｣
｢や、やめてよアズくんまで…。きっとなにかおかしな不具合とかがあったんだよ｣
｢またまた謙遜を｣
こうやって徐々に力を見せつけていくスタイルなんだろ？俺TUEEEEの片鱗を見せつけるじゃねぇか…！
｢…もしかしてアズくんがさっき言ってたことって…このこと？｣
魔力爆弾を隠したいなら、ここで大事起こすなよーという忠告だったのだが、要らぬお節介だったかな。
｢ええまあ。隠すつもりかと思っていたので、無駄な忠告になってしまいましたが｣
｢…！つまりカルエゴ先生が召喚されたのって僕だからああなった…ってこと？｣
｢(自覚なしかい)それ以外考えられないでしょう｣
そう答えると、入間は考えこんでしまう。
入間は本当にどうしたいのかわからんやつだな。悪魔のてっぺんを目指しておきながら、力は隠しておきたい。能ある鷹は爪を隠す…の通りにしたいのか？それにしては自分を制御出来ていないし…
｢…アズくんはどこまでわかってるの？｣
｢どこまで？私は知ってることだけしか知らないですよ｣
あ、やべ。羽川さんムーブしちゃった。
｢僕、アズくんには叶わないな｣
乾いた笑い声で、眉毛を八の字にして言う入間。
いやそれを負けた俺に言うって、頭イカれてるんか？
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作者名：南条 | 作成日時：2021年10月13日 21時
