【魔入間】アスモデウスは入間軍に入らない (ページ13)

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12 いざ召喚ページ13

「…では、この学校のことについて少しお話しましょうか｣

ゴホン。気を取り直して俺は入間に解説していく。箱入り(施設)息子ならば、この悪魔学校バビルスの特質を知らないだろう。

悪魔界は完全位階(ランク)社会。さらにこの学校は位階(ランク)によって受けられる公共サービスの質、量まで変わる。力こそ全てと言わんばかりの脳筋学校。それがバビルスなのだ。

そして午前に講堂に集められた新入生は早速位階(ランク)を決めるための使い魔召喚という儀式がある。クラス分けも担うので、気は抜けない。

しかしどうやら悪魔界の常識とも言えることでさえ、知らないようなので、入間の出身が本当にちゃんとした施設だったのか不安である。常識も教えてもらえないような場所…例えば人体実験の被害者とか…。無くはないよな〜主人公ってそういう悲しい運命に見舞われがちだし。いや、今詮索するのはやめておこう。物語の重要事項だったりしたら、マズイしネ。

講堂に入るとそこにはかなりの新入生が集まっていた。
すると丁度威厳のある声が生徒のざわめきを制す。

｢粛に。監督官のナベリウス=カルエゴである｣

そこには見覚えのある顔が。あれ、昨日の職員室で会った教師…？ああ、そうかこの人があの"ナベリウス"の人か。何となくカルエゴという名前に既視感があったが、貴族界に度々出てくるナベリウス家の人となれば、俺も立ち振る舞いを一層正さねばなるまい。俺も貴族界では名の知れた家であるし、うん。カルエゴ卿には媚び売っとくか。

カルエゴ卿の使い魔召喚説明を聞いた後、羊皮紙と小さな注射針が配られた。
自分の指を噛んで血を出す…なんてことはあれは漫画だからできることであって、正直注射針は助かる。俺の魔力であれば、自傷行為ぐらいできそうだが、加減を間違えて大事故になる可能性があるし、数ミリの血でいいのだからこういうものはありがたく使っていくのだ。

入間の方もどうやって血を出そうと唸っていたから、おそらく俺と同じ理由だろう。やっぱ魔力ありすぎってのも困りますわﾅｰ

｢次！アスモデウス・アリス！｣

カルエゴ卿に呼ばれ、前へ出る。ぺこりと一礼をしてから、魔法陣の中に入る。そしてロウソクに羊皮紙をくべると…

蛇のつぶらな瞳に見つめられる。そのまま煙は大蛇へと姿を変えていき、俺の周りに巻き付くかのように権限した。

おお、白蛇に赤い目。これぞゴルゴンスネーク！
なんとも満足の行く使い魔召喚で嬉しい限りだ。