11 ひとまず ページ12
入間が主人公だとして。
俺は登場シーン的に、かませ犬的なポジションだろうか。だが俺を一介のモブにしておくにはおかしすぎるバックボーンなのだ。俺こそが主人公だと思えるほどに、この体は高スペックすぎる。なので準主人公の可能性も、なくはない。
この世界が果たして今後地獄と化すのかはさておき、たとえどんなジャンルのラノベだろうと主人公の近くにいれば俺自身の生存確率が上がるに違いない。今はもっぱら学園ラブコメパートだと思うので、そこまで主人公にひっつく必要はないとは思うが、今後のことも考えて主人公との関係性はそれなりに良好にしておきたい。
あの勝負から1日も経てば、俺だってそれなりに受け入れたさ。だから入学式の決闘云々は置いておいて、これからは入間との交流に気をつけていきたい所存である。
講堂へと向かう道すがら、入間に話しかける。講堂までの道のりは、既に頭に入っているからモーマンタイ。やっぱ高スペック過ぎんよこの頭。
「そういえばきちんと自己紹介してませんでしたね。私はアスモデウスアリスです。破壊と美徳を司る家系出身で、礼儀を重んじるがモットーです。」
「僕は鈴木入間です!えーっと、好きなことは食べること。最近こっちに来たので、まだこの学校のことわかってなくて…良かったら色々教えて欲しいな」
「そうなんですか?以前はどちらに?」
「え、えーっと…最近おじいちゃんに引き取られたから…あとはお察しの通り、かな…」
…え?なに?!なんもわからんが?!
ひ、引き取られた?えっ暗い過去持ち?もしかして…孤児?今まで施設にいたとか?やっべぇ、深いとこを聞いてしまった。
「っすみません…ズケズケと…」
「うぅん!大丈夫!アズくんに隠し事したって、仕方ないしね」
なんやこの主人公俺に対して異常に好感度高くない?
どこにそんなイベントあった??
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作者名:南条 | 作成日時:2021年10月13日 21時