ハタチ ページ19
加藤side
.
加｢今日か、成人の日って｣
小｢あーそういえば昨日、振袖着た人いっぱいいたね｣
加｢俺ら何年前よ？懐かしいな｣
小｢でもさ、言っちゃえば俺らだって二十歳だもんね？｣
加｢たしかに、成人式出れたんじゃね？笑｣
小｢あ！そうだ！だったらみんなで袴着て写真撮らない！？｣
小山が急に大きな声出すから、俺らが背もたれにしてるソファで昼寝中のたかがもぞもぞと動き出した。
小｢あ、ごめんね、起こしちゃった？ねぇたか、お出かけしない？｣
起きた瞬間それかよ。
てか、ほんとに行く気？
た｢んん...｣
加｢寝ぼけてんな笑｣
小｢いいや、行っちゃおうよ！｣
そう言うとまだ眠たそうなたかを抱えて出かける準備を始めた。
その間に俺は知り合いの写真屋さんに連絡をして、衣装とスタジオを借りることにした。
3人で車に乗り、小さなフォトスタジオに着いた。
急な連絡だったのにも関わらず、俺たちの袴やスーツが数セット準備してあった。
たかの衣装も袴から着ぐるみまで俺たちの数倍揃えてある。
小｢わぁ、たかすごいね！いっぱいあるよ！｣
た｢たか？｣
小｢そう！この中から好きなの選んでいいんだよ！｣
そう言うと嬉しそうに服を選び始めた。
その様子を見ながら俺たちも選んで、2人で袴を着ることにした。
た｢たか、これ！｣
加｢え、たかこれ着るの？笑｣
小｢ほんとに？笑 ...みんなで袴の予定だったんだけど笑｣
た｢これなの！｣
加｢わかったわかった、それでいいよ笑｣
まぁ、好きな服選んでいいよとは言ったけど...
成人式に全く関係の無い服になった たかを見て2人で笑いながら袴に着替えた。
カ｢3人とも着替えたね？じゃあここに立って、2人でたかくん抱っこしてくれる？｣
指示通りにカメラの前に立ち、たかを抱っこしてぎゅっとくっついた。
た｢ふふ、ぎゅー｣
カ｢お、いいねぇ！じゃあ何枚か撮るから自然にね｣
なぜかすごくご機嫌なたかに目をやると、ふと小山と目が合った。
袴姿の小山に抱かれるたかの格好があまりにも不釣り合いで、思わず吹き出した。
すると、小山も同じことを思ったのか同じタイミングで吹き出した。
それを見てたかも釣られて笑い出す。
その時鳴ったシャッター音は3人の笑い声に掻き消された。
帰りに受け取った写真には
袴姿で涙を出して大爆笑する小山と俺。
そして、2人に抱かれる
小さな小さな恐竜。
24.01.08
.
続く
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作者名：貴虎 | 作成日時：2020年7月4日 0時
