【桃】歌い手兼元ニートです！

３４ ページ35

さとみside




Aの家の前へたどり着くと、玄関扉の前に男性が立っていた。



俺は“助けて“というAの言葉を思い出し、思い切って男に話しかけた。



「あの、なにか用ですか？」



？「なに？あんたはAの関係者？」



その男性は凄い顔が整っており、ホストとかに居そうな人だった。


すると、ピコンとスマホにL○NEの通知がきた。



Aその人追い払ってくれませんか?私の元カレです。



さとみわかった あとで説明してよ



「Aになにか用ですか？」



？「Aは俺の元カノ。で、あんたはAのなんなの？」



「...彼氏です」



？「はぁ？んなわけねーじゃん笑笑」



突然大爆笑をしだす元カレ。



？「Aはもう俺なしじゃ生きてけねーんだよ。おい、A開けろ」



するとガチャンと鍵が解除される音がして、中からAが顔を出す。



？「久しぶりじゃん、A」



『...って』



？「なに？もっと声出せ」



『帰ってって言ってるの』



？「はぁ？なに？口答えすんの？」



『も、もうあなたは必要ない。い、今はさとみくんがいるもん』



？「...あっそ、じゃあいいや」



元カレは俺に荷物を強引に渡すと、エレベーターに向かって行った。



？「だけどな、A。お前はもう一度俺にハマるからな」



それだけ言い放つと、エレベーターに乗って帰って行った。



『...ごめんね、さとみくん』



「お安いご用よ。てか俺こそごめん、助けられなかった」



『いてくれただけでいいの。いなかったら...また...』



明るかった顔が急に暗くなる。



「ゆっくりでもいいからさ、俺に説明してくれない？」



『...言わなきゃダメだよね、今まで隠してきたもん」



ドアロックを外して、限界まで扉を開けてくれる。




『入って、私のこと話すよ』








、







、






、






『今まで隠してきたこと、全部』

３５→←３３

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す