6 ハル ページ6
『今日も補習だからな』
坂田先生の次に出くわしたのは今最も会いたくない人ナンバーワンの彼で、逃げんなよという圧力をかけてくる。
『……ちなみに、いつまで続けるつもりで?』
『お前が満点取れそうになるまでに決まってんだろ』
もうこの時点で、私の補習は一生続いて行くことが分かった。私が数学のテストで満点など、西から日が出るようなものだ。
先生もそれが分かっているのか、片方の口角を嫌味ったらしく上げている。
『早く俺を好きになることだな』
『そっちの方が満点取るより非現実的ですから』
『それはどうかねェ……』
くくくと、またもや喉を押し殺して笑った。その笑い方は私をバカにしているようにしか思えず、歯をむき出してしまう。
『唸ってんな』
しかし、いきなり背後から食らったチョップに驚き、慌てて振り向けば、そこには沖田が立っていた。
『なにすんのよ!』
『うるせェ、幼稚園児』
「違うもん!」と言い返せば、「もんとかキモい」と蔑んだ目で見られる。沖田を睨みつければ、彼は私の頭の上にバシバシと数回手を乗せた。
『……ま、先生も分かってる通りこんなバカなんで、補習はお手柔らかにお願いしまさァ』
ね、と先生に対して沖田は薄ら笑いを浮かべる。それを高杉先生は鼻先であしらい、「甘やかす気はねェな」と私に視線を送った。
それはどこか含みのある視線で、何を考えているのか読めない先生に、思わず生唾を飲み込む。
『……ほら、教室移動するぞ、バカ』
『だから何でみんなして私をバカって言うのよ!』
「バカって言った方がバーカ」と沖田に言えば、やれやれと言うように手のひらを上に向け、肩をすくめる。
ムカついたため、沖田の鳩尾辺りにパンチを食らわせるが、何ともないような顔をしてスタスタと先を歩き始めてしまった。
私はちょっと待ってと慌ててその後を追いかけていく。
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紫蘭(プロフ) - ハルさん» そうなんですか。でも応援して頂けるだけでも嬉しいです笑 私も、同い年だと分かって嬉しいです!親近感が湧いて仕方ないです笑 またお話出来るの楽しみにしてます! (2017年9月18日 15時) (レス) id: 684ce788b1 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 紫蘭さん» 実はですね、私中学受験をしたので高校受験がないんですよ……。なので本当に他人事のようにしか紫蘭さんに何も言えないのですが、本当に応援しております。同い年、嬉しいです。親近感が湧いちゃいます( ´ ∀`) 息抜き程度にでもまたお話ししてくださると嬉しいです。 (2017年9月18日 14時) (レス) id: eb197fc214 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 獅子の子さん» やっぱり高杉はいいですよね〜( ´ ∀`) ニヤニヤしちゃいますよね、考えてると。 この作品でキュンキュンしてくださったのならなによりです! 閲覧とコメント、どうもありがとうございました! 高杉さん万歳!!\(^-^)/ (2017年9月18日 14時) (レス) id: eb197fc214 (このIDを非表示/違反報告)
紫蘭(プロフ) - ハルさん» ハルさんも高校受験何ですか!!私も一緒です笑 いえいえ、全然大人じゃないですよ…中学3年のまだまだ未熟者です。私自信、ハルさんの方が大人っぽいです!ハルさんも身体に気を付けて勉強や更新の方頑張って下さい!応援してます!! (2017年9月18日 12時) (レス) id: 684ce788b1 (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ(プロフ) - 銀皐月さん» 先生に、ですか!! それは素敵な夢をお持ちですね!! 「なれる」なんて無責任なことは言えませんがなれるように祈ってます。きっと良い先生になるんだろうなぁ、なんて思いつつ... その時は素敵な生徒にも会えると良いですね! コメント有難うございました (2017年9月18日 9時) (レス) id: 30e1da4c35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:高杉同盟 x他1人 | 作成日時:2017年7月31日 23時