【＃コンパス・腐】アダムとマルコス

【6番】僕が…_ソーンside ページ7

兄様は僕が壊した。

少し、昔。
3年以上も前の御噺です。

兄様は、女王陛下を愛していました。
家族愛とも言える、恋心ではない愛で。

そして、兄様は人をやめてしまいました。

僕はまだ子供で
兄様が痛がっていることに

「やめて」

としか言えませんでした。

ある時兄様は、1つの魔法に魅入られました。

傷をたちまち治す魔法でした。

かけたのは、女王陛下。

アダム「ソーン。
俺は今、小さな幸せを感じているんだ。」

夜空のしたのバルコニーの
ベンチに二人で腰をかけてお話をした時、
兄様はそう漏らしていました。

ソーン「兄様はどんな幸せを感じているの？？」

アダム「あぁ、それはな。

愛されているという感覚と、

愛するものを守れるという感覚だ。」

僕の頭を撫でつつ、そう話してくれました。

次に兄様の姿を見たのは、
女王陛下のお葬式でした。

兄様が僕に兄様の幸せを

話してくれている間に、

女王陛下は息を引き取りました。

泣き叫ぶ兄様。

アダム「陛下っ！女王陛下！
なぜっ！なぜ置いてゆくのですか！？


俺では！愛するものは守れないのか！
うわぁぁ…っ！」

兄様は壊れてしまいました。

自分を守るため、

兄様の記憶は…

女王陛下は死んでいないことに
なったのです。

ソーン「兄様のお顔から笑顔は消え去りました。」

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