【＃コンパス・腐】アダムとマルコス

エピローグ【10番】遅く咲いた華 ページ11

痛い

身体中が痛い

いたい

おなかがおもい

いたい

いたい

いたい…

…いた

い…

誰かの大きな泣き声と

周りが急に明るくなったことで

僕は目を覚ました。

最悪な目覚め方だった。


気づいたことは3つ
・僕は赤ちゃんであること
・他の子供より発達が尋常じゃなく早いこと
・前世…と言うべきだろうか。この体になる前の記憶を持っていること

ただ、3個目に対しては
何かを忘れている気がするんだ。

大事なことを…。

その後僕は生後10日で喋れるようになった。

そんな僕は親に名前を
つけられることなく捨てられた。

そりゃあ、自分たちの赤ん坊が奇怪なんだ。

恐怖と嫌悪しかないことは分かってる。

それでも、2年間も
僕といてくれてありがたかった。

僕を引き取ってくれたのは、
年配のおばあさんとお爺さんだった。

優しく笑いかけてくれた。

幸せだった。

お婆さんから

婆｢名前はあるの？｣

って聞かれて

??｢ないです｣

と答えた。

婆｢あら、そうしたら決めなきゃいけないわね｣

お婆さんは違う部屋へ足早に駆けて行った。

数分後戻ってきたお婆さんは

お爺さんと大きな辞書を何冊も持ってきた。

婆｢あなたが
あなたの一生の名前を選びなさい｣

お婆さんとお爺さんは
僕の選んだ名前が
意味的に宜しくない時に止めると言われた。
それ以外は指図はしないと言われた。

??｢本当に、いいの？｣

お婆さんもお爺さんも
目を合わせて驚いていた。

そして、

婆/爺｢もちろん｣

とにっこり笑ってくれた。

嬉しくて、自然と笑みがこぼれた。

??｢ありがとう｣

お礼を言って、

僕がなりたい名前を言う。

僕が今いる世界に

君もいますように。

君がすぐに僕だと分かるように。

その願いを込めて

マル｢マルコス…｣

僕は君に会えないかもしれない。

それでも会いたい。

だから、色んなことを頑張って。

色んなことで目立って。

君の目にも映るように。

がんばろう。

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