57. ページ9
Side.you
ーーー理子の家、即ち道場に到着し私の機嫌は今日最高潮に悪くなっていた。というのも、
｢ Aちゃんじゃないか、
久しぶりｽﾃ すごい久しぶりだねｽﾃｽﾃ ｣
｢ …どーも、｣
｢ もし、もしかしてあれだね今お父さんのこと死ぬほどめんどくさいとか思ってるでしょすごい伝わってるよお父さんエスパーだから、エスパーだからね、お父さん。ﾊﾊｯ、うっそん! エスパーとかうっそん!! すごい、すごいね、普通のお父さん。すごい普通のお父さん登場 ｣
｢ …はぁ、｣
理子の父親、この人が原因である。
両隣の三橋と伊藤から、何こいつ、という視線をビンビンと感じるが、正直どう答えることも出来ない。
この人の事は私もよく分かってないのだ。
唯一分かってるのは、普通ではないという事だけ。本当に、私が小さい頃から訳の分からない人だった。
｢ お父さん、みんな困ってるから。｣
｢ おう…そうか、つい、ついな、久しぶりに見たAちゃんに興奮しちゃってな ｣
｢ 気持ちわりぃな ｣
｢ なんだとっ、誰だ今気持ち悪いとか言ったやつ やるぞ!この手でやってやるぞ えいっ、つって、えいっ ｣
｢ 三橋、お願いだから変な口を突っ込まないで。なんなら反応もしないで。無視して、全てを ｣
｢ Aちゃん ほんとに理子ちゃんのお父さん苦手なんだな… ｣
｢ ね、ねぇそれあの…聞こえてるよ本人に… ｣
私は総じてめんどくさい人間は苦手なのである。面白ければOKみたいな人も世の中にはいるが、面倒な人は面白かろうが面白くなかろうがめんどくさいのに変わりはないのだ。
私と伊藤の会話を聞いてやっと しょんぼりと黙った理子のお父さんを置いて、私達は道場へと足を踏み入れる。
いつの間にか着替えていたのか、中には道場着姿の理子と、互いの傷を手当てしあっている生徒さん達が居た。
私は理子の近くに、三橋と伊藤は 少し離れた所に並んで座ると、理子が説明しようと口を開く。
｢ 実はね、うちが潰れるかもしれなくて… ｣
｢ 道場破り、って 聞いた事あるでしょ? ｣
｢ 道場破り? ｣
問うてきた伊藤に答えを出す前に、凹みモードから早くも復活したお父さんが 道場部屋へと入ってきて、ボロボロな生徒さん達を見て こっぴどくやられたもんだな、と言葉を零す。
｢ 誰だ、うちの生徒をこんなにしたやつは ｣
｢ おれ ｣
｢ お前かいｯ!! ｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 435人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
零生(プロフ) - エイラブさん» ありがとうございます! 出来るだけ出していけるように頑張ります〜！ (2018年12月26日 0時) (
レス) id: c45c7990b9 (このIDを非表示/違反報告)
エイラブ - 面白くて好きです！ 相良君と片桐君が好きなのでもっと出してほしいです！ これからも頑張ってください！ (2018年12月25日 16時) (レス) id: e30e78e61a (このIDを非表示/違反報告)
零生(プロフ) - ソルトさん» 嬉しいです、ありがとうございます！出来るだけ更新怠らないようにするので、これからも読んでいただけると嬉しいです！ (2018年12月23日 16時) (レス) id: c45c7990b9 (このIDを非表示/違反報告)
ソルト - いつも読んでいます！続きが楽しみです！ (2018年12月22日 22時) (レス) id: 3945e53ccf (このIDを非表示/違反報告)
零生(プロフ) - 弌さん» 神様扱い光栄です笑 これからも好きだと思って貰えるように頑張ります!ありがとうございます!. (2018年12月20日 22時) (レス) id: c45c7990b9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
