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つかつかと歩いてきた三橋は、ちらりと私に視線をやる。けれど、すぐに逸らして 理子、と。
｢ 俺、やっぱ試合出てやっから。俺と変われ ｣
｢ なに?その恩着せがましい言い方。一度逃げた負け犬に用はないわ ｣
一度帰った事が気に食わなかったのか、理子はキッと三橋を睨みながらそう言う。
私が宥めて 変わらせようかとも思ったが、どうやら二人の耳には他の人の声など入っていないようで。
｢ うるせぇ、女はすっこんでろ ｣
｢ 三橋くんは確かに喧嘩は強いけど、武道と喧嘩は違うのよ。分かったら帰って ｣
｢ てめぇ、生意気言ってんじゃねぇぞ!! ｣
そう言って三橋が理子の肩に手を置くが、理子によってすぐに吹っ飛ばされる。けれど、そんなので簡単に諦める三橋ではない。
今井と谷川の笑い声によって 後押しされるようにじわりじわりと上がっていった三橋の怒りゲージはMAXになったようで。
起き上がった三橋は、理子の事を睨み付けていた。おい三橋、やめとけ? との伊藤の制止の声も届かないまま、三橋と理子の乱闘が始まる。
｢ ちょっとちょっと!! 止めないとAちゃん ｣
｢ 大丈夫。きっと、三橋なら理子に手出したりしないから ｣
｢ いや今 現在進行形で出しまくってるけど!? ｣
｢ やめろ三橋ィ!! 理子さんお待ちください、男、今井。今 貴女を助けます! ｣
｢ あんたも余計な事しないで ｣
じろりと睨んでやると、今井は 怯えるように小さな谷川の後ろに隠れ しょんぼりとしていた。これで、大丈夫だ。誰にも邪魔されない。
きっと、三橋も 相手側の男達を見たのだろう。それで、戻ってきてくれたのだ。
私がずっと、三橋を見つめながら 願っていたこと、“理子と代わってあげて” ってそれを叶えてくれるために。
試合は白熱していたが、すぐに勝負は決まった。力技で壁に追い込まれた、理子の負け。
三橋は 振り下ろした拳を優しく理子の肩に置くと、降参しな。次は 容赦しねぇぞ、と理子に言葉を投げた。
ーーー参った、理子のその声が道場に響いた瞬間、お父さんの飛び蹴りが 三橋に決まる。
驚いてぱちくりしている理子を他所に、娘に乱暴しないでくれ!!とお父さんは三橋を見下ろしぷんすか怒っていた。
｢ そもそもお前が道場破りとか受けるからこんな事になってんだろうが!! ｣
｢ まぁいい、着替えてきなさい ｣
お父さんのその言葉に ちっと舌打ちを零した三橋は、立ち上がって更衣室へと歩いていった。
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零生(プロフ) - エイラブさん» ありがとうございます! 出来るだけ出していけるように頑張ります〜！ (2018年12月26日 0時) (
レス) id: c45c7990b9 (このIDを非表示/違反報告)
エイラブ - 面白くて好きです！ 相良君と片桐君が好きなのでもっと出してほしいです！ これからも頑張ってください！ (2018年12月25日 16時) (レス) id: e30e78e61a (このIDを非表示/違反報告)
零生(プロフ) - ソルトさん» 嬉しいです、ありがとうございます！出来るだけ更新怠らないようにするので、これからも読んでいただけると嬉しいです！ (2018年12月23日 16時) (レス) id: c45c7990b9 (このIDを非表示/違反報告)
ソルト - いつも読んでいます！続きが楽しみです！ (2018年12月22日 22時) (レス) id: 3945e53ccf (このIDを非表示/違反報告)
零生(プロフ) - 弌さん» 神様扱い光栄です笑 これからも好きだと思って貰えるように頑張ります!ありがとうございます!. (2018年12月20日 22時) (レス) id: c45c7990b9 (このIDを非表示/違反報告)
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