Twelve. ページ14
「ねえ、本当にやめて」
「なんで。いいじゃん」
窓から入ってくる風が冷たかった。
全て終わった後に煙草を吸うようになったのはいつからだっただろうか。
カートンで買われる煙草と、少し格好つけているのかジッポをカチ、カチと開けたり閉めたりする。
「部屋に臭いが残るの嫌なんだけど」
「だから窓開けてるよ」
「風向きで入ってくるでしょ！」
仕方ねえなあ、なんて眉を顰めながら空になった缶ビールに煙草を押し込んだ。
わたしが寝ている間も吸っている時があるのか、缶ビールにはどんどん吸殻が溜まっていっていた。
「なんで煙草吸うの……」
「なんでだろ」
「しかも、いつも煙草とジッポ置いていくじゃん」
「此処でしか吸わないからなあ」
本当に、やめてよ。
なんて言うわたしに、伊沢は悪びれもなく軽く謝るとわたしの横に転がってくる。
「やだ。臭い。嫌い」
「そんな事言うなよ。Aちゃん……」
「ちゃん付けキモイ。あっち行って」
「やだ」
唇を軽く突き出した伊沢が、そのままキスをしてこようとするので手のひらで自分の口元を覆う。
キスしよ、なんて甘えた声で言ってくる伊沢に、嫌だと返せば観念したのかベッドから出ていって洗面所の方へと向かっていった。
戻ってきた伊沢は、また同じようにわたしの横に入ってきて、キスをせがむ。
「クリニカしてきた」
「やだ。煙草のあとは絶対に嫌だから」
おやすみ！ と言って伊沢に背を向ける。伊沢はそのままわたしを抱き寄せて、少し寂しそうに「おやすみ」と言うと静かに寝息を立て始めるのだった。
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緑の白猫 - お話読ませて頂きました。人と人とのもどかしい関係を上手に書かれ、読んでいてウルッときました。良い作品をありがとうございました。 (2021年4月2日 16時) (
レス) id: 41276e8159 (このIDを非表示/違反報告)
たかせ(プロフ) - 奈都さん» 奈都様にそう言っていただけるなんて……嬉しい限りです……！ ありがとうございます!! (2020年4月4日 1時) (レス) id: 66eef8f813 (このIDを非表示/違反報告)
たかせ(プロフ) - 空白@吹部@Tp@不定期浮上さん» コメントありがとうございます!! 出来るだけ早く公開できるように精進致します!! (2020年4月4日 1時) (レス) id: 66eef8f813 (このIDを非表示/違反報告)
奈都(プロフ) - はじめまして。最初から最後まで夢中になって読み切ってしまいました。終わり方にかなり驚いてしまったのですが、どうか最終的には幸せな終わりが来てくれますようにと祈りつつ、続編も楽しみにしております…！ (2020年4月4日 1時) (レス) id: 1ea9b7d420 (このIDを非表示/違反報告)
空白@吹部@Tp@不定期浮上(プロフ) - 続編何年後でも待ってます！！！頑張って下さい！！！！ (2020年4月4日 1時) (レス) id: 16e27b9642 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たかせ
| 作成日時：2020年4月3日 2時
