Epilogue。 ページ23
短い不在は恋を活気づけるが、長い不在は恋をほろぼす。
ミラボーの名言だ。
どれほど長い間、拓司を想っていたのだろうか。
大学時代、拓司が消えてから、そして拓司がもう一度現れてから。
長い間、拓司がいない間だって、この気持ちが衰えることなんてただの一度もなかった。
幸せか、と問われると即答することは難しいだろう。
けれど、恥ずかしくはあるが、心のそこから頷く事は出来る。
あの日以来、拓司は本格的に私の家に住み着いている。
人前で私のことを攫うようなことをしたせいで、世間様に私の事がバレてしまった。
それでも拓司は、「お付き合いしている女性です」と胸を張って言っていた。
ファンが減ったらどうするんだと言うと、彼は、俺はアイドルじゃないからね、と笑うのだった。
「ねえ、A」
「なに」
「やっぱり先人の名言でも、正しくないことはあるみたいだ。三度の食事で諦めなくてよかったよ」
幸せかと問われれば、彼はその黒子のある頬を緩ませながら、勿論、と即答するのだろう。
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緑の白猫 - お話が綺麗に終わり、伏線回収まで綺麗で、読み終えた時に、清々しさと良い小説を読んだ時特有の多幸感に満たされました。良い作品をありがとうございました。 (2021年4月2日 16時) (レス) id: 41276e8159 (このIDを非表示/違反報告)
たかせ(プロフ) - くぅかなさん» キュンキュンだなんて嬉しい限りです!最後までお読みいただきありがとうございました! (2020年4月6日 14時) (レス) id: 66eef8f813 (このIDを非表示/違反報告)
くぅかな - 一気読みさせて頂きました!クライマックスはもう…熱が出たんじゃないかっていうくらいキュンキュンしてました笑 (2020年4月6日 14時) (レス) id: 8242ba3eb6 (このIDを非表示/違反報告)
たかせ(プロフ) - 藍知さん» こちらこそ、最後まで読んでくださりありがとうございました! (2020年4月6日 11時) (レス) id: 66eef8f813 (このIDを非表示/違反報告)
藍知(プロフ) - 一気に読んでしまいました。素敵なお話をありがとうございます。 (2020年4月6日 5時) (レス) id: 327f8bffcc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たかせ | 作成日時:2020年4月4日 12時