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One。 ページ3

「引っ越したい」

「引っ越せば?」


タブレットで物件を調べていると、伊沢が勝手に条件設定を変えてくる。

エリア範囲をこの辺に変えて、ルームシェア可を入力しだしたのだ。


「いや、なんで?」

「もういっそ一緒に住めばいいと思わねえ?」

「思わねえです」


そんなことしたらまた田村さんに誤解されかねないでしょうに。

伊沢はケラケラと笑ってルームシェア可の条件を削除した。
しかし、エリアの条件は変える気がないらしい。


「いやさ、まさかAが大学時代から引っ越してないとは思わなかったんだよ。いや、少しはその可能性に掛けてはいたけど」

「なにが?」

「QuizKnockの新オフィスの場所、選んだの俺なんだよね」

「うん」

「ま、そういうこと」


どういうことだよ。と返してはみたけれど、伊沢はそれ以上答える気は無いのかテレビに視線を戻した。

今は彼の大好きなサッカーが流れているのだ。

うるさくも「いけいけ!」なんて言っている彼に、先程彼が選択肢から外したルームシェア可にチェックをつける。

きっとこれは必要だ。
近所から文句を言われたらたまったもんじゃない。

彼の事を考えてオートロックやコンシェルジュも考えた方がいいのだろうか。

いや、なんで伊沢ごときに私が金を多く払わなければならないのだ。
却下だ却下。

やっぱり室内洗濯機置場と独立洗面台だけでいい。


「あ、ねえ、お風呂広いところがいい」

「え、やだ」

「だってAと風呂入りてえもん」

「やだ」


物件を何個か見比べる。

もう学生でもないし、ワンルームじゃなくてもいいのかもしれない。

私一人だと確実にワンルームを選択するのだが、まあハウスキーパーもどきもいる事だし、2Kくらいなら、まあ。


「ねえ、何部屋欲しい?」

「え! 俺の意見も聞いてくれるの?」

「いや、別に広いお風呂が好きなだけ意見聞いてるわけじゃないから」


実家が広い風呂だからだよ。

別に伊沢の意見を聞いた訳ではないんだからね。

Two。→←Setting。



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設定タグ:QuizKnock , QK , 伊沢拓司
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緑の白猫 - お話が綺麗に終わり、伏線回収まで綺麗で、読み終えた時に、清々しさと良い小説を読んだ時特有の多幸感に満たされました。良い作品をありがとうございました。 (2021年4月2日 16時) (レス) id: 41276e8159 (このIDを非表示/違反報告)
たかせ(プロフ) - くぅかなさん» キュンキュンだなんて嬉しい限りです!最後までお読みいただきありがとうございました! (2020年4月6日 14時) (レス) id: 66eef8f813 (このIDを非表示/違反報告)
くぅかな - 一気読みさせて頂きました!クライマックスはもう…熱が出たんじゃないかっていうくらいキュンキュンしてました笑 (2020年4月6日 14時) (レス) id: 8242ba3eb6 (このIDを非表示/違反報告)
たかせ(プロフ) - 藍知さん» こちらこそ、最後まで読んでくださりありがとうございました! (2020年4月6日 11時) (レス) id: 66eef8f813 (このIDを非表示/違反報告)
藍知(プロフ) - 一気に読んでしまいました。素敵なお話をありがとうございます。 (2020年4月6日 5時) (レス) id: 327f8bffcc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たかせ | 作成日時:2020年4月4日 12時

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