【QK】HAPPYENDを体現せよ【izw】

Twenty。 ページ19

あー、やっぱり。と言わざるを得ない。

ドレスコードが必要そうな少し高めの料金設定のおフランス料理店。
オフィスカジュアルな服装のおかげで目立ってはいないが、場違い感が半端ないのは否めない。


「高木さんはどうします？」


メニューを差し出されて、その値段に天を仰ぐ。

この子、私よりも後に入ってきたのにそんなお金あるのか。やはり営業部だからか。営業部は私が知らないうちに歩合制にでも変わったの？
カード持ってきていて良かった。普段は小銭入れしか持ち歩かないもんだから、朝、お札用の財布を忘れそうになったのは秘密だ。


「高木さん？」

「あぁ〜、オススメで」

「分かりました」


笑顔でシェフらしき人を呼んで注文をするこの子は、やはりどこ手馴れていた。

さてはて。そんな事よりも大学時代に詰め込んだ食事マナーを全力で思い出さなければ。

取り敢えず、フレンチはスープをかき混ぜる時手前からと奥側どっちからだっけ。

やばいよ、助けてよ知識王。
なんでこんな時にあの人いないんだよ……。

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