球団職員に花束を。その5

166＊ピンクのマーガレット ページ6

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おとなになったよ



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｢と、思ったんだけどな〜…｣


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お家の大きなもふもふソファー(私が選んだの！)に
クッションを抱いてうずくまりながら座る

久しぶりに、遥輝くんとお家でまったり過ごせる時間
秋季キャンプや新人合同自主トレを終えて
春季キャンプを迎えるまでの束の間の時間

映画を見ようと遥輝くんが言ったから
選別は彼に任せてゴロゴロしてる私


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今年のこの季節、結婚式をする予定だったけど
世の中も世の中だし、遥輝くんもバタバタしてて
先延ばしにすることになってしまった

ウエディングドレスは、もう少し先になりそう


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｢ホラーは苦手です｣

7｢やめとく？｣

｢いや、私27歳だし、いけるし｣

7｢ほんとか〜？｣


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私の隣にどさっと腰掛けて
わしゃわしゃ、髪の毛を撫でるハルキニシカワ
私の事、犬だと思ってるでしょこんにゃろ

その顔、絶対私の反応見て楽しんでる
その手には乗るもんかバーカバーカ


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と、思ったんだけど


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7｢A〜？｣

｢んん、｣

7｢顔上げてやぁ｣

｢呪いの人形が、襲いかかってくる…｣

7｢CGやんあれ、もう終わったで｣

｢ほんと…？｣

7｢嘘｣

｢やだやだやだ｣

7｢ってのは嘘。終わったで！顔上げーやー｣

｢…ホラーなんて二度と見ない…｣


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完全にハルキングの思うつぼだった、ちっくしょう
また私の事、犬を扱うみたいな撫で方をするから
ゆっくり、顔を上げたら


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7｢……もう、結婚して1年も経つんやな｣



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あっという間やなって微笑む遥輝くんが
私に差し出したのは、小さな箱

何…？って呟く私に、開けてみって顎で示す彼

リボンを解いて開ければ、出てきたのは銀のピアス
ピンクのマーガレットをモチーフにしているみたい


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｢可愛い…！｣

7｢一点物なんやで、Aに似合うと思ったんや｣

｢ありがとう…！嬉しい、すっごく嬉しい｣

7｢…ごめんな、結婚式延期になって｣

｢ううん、仕方ないもん｣

7｢たくさん迷惑かけて、ごめんな｣

｢夫婦って助け合っていくものでしょ？｣


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私、頑張ってる遥輝くん見て頑張ろって思えるもん


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｢私と結婚してくれてありがとう｣

7｢それ、今俺が言おうとしたんやけど｣

｢あは、いいとこ取りしちゃった｣

7｢返せや｣

｢やーだ｣


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軽くおでこを指で押されて、目が合って
微笑み合って、そっと抱き締められた


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好きだ、大好きだ



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(プレゼント何がいい？)

7(子ども)

(え)

7(えっ)


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