球団職員に花束を。その5

番外編＊綺麗な花束が似合う人(side近藤) ページ11

side◎近藤
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ひとつの時代が終わるのだと思う



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シーズン最終戦が終わったけれど
その前から、チームはもう次のシーズンに向けて
動き出していて

出会いがあれば、別れもある
シーズン最終戦に勝って思ったのは
このメンバーでもう野球が出来ないって寂しさ


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監督、佑樹さん、雄也さん＿＿＿＿＿他にも沢山


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そして、A



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｢今までお世話になりました
本当に…本当に、ありがとうございました｣



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トレーナーとして、最後の最後まで、笑顔だった


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12｢この役目僕でいいのかな｣

｢何言ってるの、剛くんから貰えて嬉しいに決まってるじゃん｣

12｢じゃあ…笑
A、お疲れ様。4年間ありがとう｣

｢ありがとう！
私4年もファイターズにいたのか…早いなぁ｣

12｢あっという間だった？｣

｢色んなことありすぎて、一瞬だったよ｣


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綺麗な花束が、似合う人


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感謝を込めた花束をAに渡す大役を果たしたのは
同級生でもある剛で
遥輝さんが機嫌損ねるかな、とか思ったけど


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7｢剛に譲ったるわ｣

8｢絶対強がってますよね｣

7｢これからは俺が独り占め出来るからええのー｣

8｢子どもか！｣

7｢やっぱ花束似合うなー、A｣

8｢わー惚気け始めた｣


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遥輝さんの表情はどことなく晴れやかで

これからは、Aがついてるから心強いだろう
子どもも生まれるから大変に決まってはいるけど
きっと2人なら、やっていけるんだろうなって思う


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｢あ、そうだ！
私から皆さんに、渡したい物があります｣



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そう言って照れくさそうにはにかんだAは
背番号順に並んでくださーいって指示を出す

懐かしいな、キャンプや自主トレの時
こうやって指揮を執って
ムチと飴を使い分けてたっけな


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｢私から皆さんに渡したいのは、手紙です｣



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ひとりひとり書いたから、読んでねって
ホーム最終戦の時の監督のように
ひとりひとりに声をかけるA


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7｢A、私もあれやりたいって言っとった｣

8｢無邪気か笑｣


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｢拳士さんはノーコメントね｣

2｢いやしょっぱなからこれなの！？｣


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笑顔の、A


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だけど


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｢こんちゃんっ｣

8｢はいっ｣

｢…っ、同級生はダメだぁ｣

8｢いいよ、泣いて｣

｢ごめん…｣

8｢ありがとう
A、大好きだ｣


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白い無地の封筒を受け取って
そのままAを胸の中に閉じ込めた


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大好きだ、信頼してる
これからも、ずっとずっと



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