球団職員に花束を。その3

＊120 有原さんと花束ちゃん(side石川亮) ページ38

side◎石川亮

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頑張れ有原さん、頑張れAさん



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｢…｣

68｢おーいAさーん？生きてますかー？｣

｢生きてる…多分、｣

68｢多分て何すか！
こんな所で死なれたら困りますからね！｣

｢…その時は亮くん運んでくれ…！｣

68｢あーそれならいいかも…
じゃなくって！とにかくAさん、気を確かに！｣


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ブルペンの整備をしていたAさんが
肩を震わせて俺の服の裾を握った
あー…またかぁ。
Aさんがこうなるのは、決まってこの日。


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68｢有原さん悪い人じゃないって言ってるじゃないっすか！｣

｢あー…頭では分かってるんだけども｣

68｢確かに有原さんめちゃデカいしマウンド上では怖い所もあるけど！根はいい人っすから！｣

｢でも怖いんです……ごめん亮くん、｣

68｢それ有原さんに言うこと〜！｣


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そう、Aさんは有原さんが苦手だ
俺はずっとずっと前から、この二人には和解して欲しいと思ってる
(喧嘩してる訳じゃなく、一方的にAさんが有原さんを怖がってるだけなんだけど)


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有原さんも、この間嘆いてた
Aちゃんが俺を怖がってるから話しかけられない…って大きな背中を丸めて
うーん、有原さんの可哀想な片想いだこりゃ


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68(二人とも大食いだし、気が合うと思うんだけどな〜)


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68｢ホスティーさんもそう思いません？｣

20｢それだいぶ前にAが俺に付けたあだ名…｣

68｢あれっ、ダメっすか？｣

20｢ダメっす止めなさい｣


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20｢Aあー見えて結構人見知りなとこあるしな｣

68｢ファイターズ来た時やばかったっすよね！
どうしようどうしようってずっとあわあわしてた｣

20｢そんな子がここまで皆に信頼されるとは｣

68｢やっぱ凄いっすねAさん〜…
じゃ、なくて！有原さんとAさんには引っ付いて欲しいんっすよ俺は！｣

20｢それ語弊あるからな、遥輝さんが聞いたら嫉妬が恐ろしいのなんのって｣

68｢あ、やべっ｣


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すいません遥輝さん、そういう事じゃないっす
とにかく今は、有原さんとAさんに
どうにかして仲良くなって欲しいんです俺らは！


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68｢有原さんに猛アタックしてもらおうか｣

20｢それ大丈夫？逆に怖がられない？｣

68｢そっか〜…それもあるなぁ｣

20「とりま俺らは見守っとこうよ、な？」


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16(あのー、Aちゃん)

(Σ は、はい…！)

68(頑張れ二人とも〜…)



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果たして、二人が仲良くなるのはいつだろうか？


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