球団職員に花束を。その3

＊112 涙と通過点(side宮西) ページ30

side◎宮西尚生

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『宮西尚生、前人未踏の300ホールド達成！』



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25｢ただいま……うわ｣

14｢あー宮さんやっと来た｣

25｢なんやこのカオス空間｣

15｢俺ら大変だったんすから｣


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試合とインタビューの後、ベンチに戻った俺
助かった〜って笑う上沢、親のような目の加藤
翔と遥輝に至っては爆笑やし、記念の花束を持った俺への祝福モードと言うよりはむしろ


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25｢慰安会やん…｣

7｢あ、宮さんおめでとうございまーす｣

25｢なんなんやこの雰囲気は｣

17｢宮さん見たらわかるでしょ｣


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宮さんのことが大好きな子が、1番喜んでるんです


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泣いて、泣いて、とにかく泣いて


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ほら落ち着け〜って上沢が背中を叩く
宮さん来たけんって卓がなだめる
そんな泣くと不細工になるでって遥輝が茶化す
言われた側はバカ！って言い返す。泣きながら。


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選手の中心には
子どもみたいに泣きじゃくる、Aがおった


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｢みっ…宮さまぁあ！！｣

25｢なんでそんな泣くん。目開いとらんで｣

｢だって…感動と喜びで胸いっぱいで｣


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ずびびっと鼻水をすすったAは
照れくさそうにえへへと笑った
俺を見上げて嬉しそうににこにこしとんのが
たとえ泣きすぎで目が線みたいになっとっても
胸にくるものがあって


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自分では通過点やって思ってたんやけど
こんなに喜んでくれるんやなぁ…俺も感動や


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｢私はファイターズ2年生で、宮さまの軌跡の全部を見てはいないですけど

大好きな宮さまの積み上げたものが
数字になって、記録に残って…って

すっごく素敵です、おめでとうございます…！うぁ｣

25｢は？え？また泣くん？｣

｢宮さまへの愛が爆発したんで泣かせてください…｣


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ほらよって鶴さんが渡したタオルを受け取ったA
は、まーた人目もはばからず再び号泣
俺のために泣いてくれるの、めっちゃ嬉しいけど
こんなに涙腺ゆるゆるなんか、この子は


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15｢俺らこいつを1時間慰めたんで飯奢ってください｣

14｢二次会込みで｣

25｢わーったわーった｣


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25｢A！｣

｢Σ 宮さま…？｣

25｢ありがとな！｣

｢おめでとうです…うっ｣

25｢今日限定やで｣

｢え？わわっ｣


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Aの腕を引き寄せて、俺の胸の中へ
おめでたい日やから、今日くらい抱き締めてやろう


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『宮さま、おめでとうございます！』


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14(宮さんやるな)

7(何やってんすか)

(宮さまの腕の中で死にたい)

25(涙止まっとるやんけ)


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＊113 祝･サヨナラ！→←お知らせ！(追記:4月28日)

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