08 side? ページ9
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噂のカノジョ、とは
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「あ、今日俺、本番の前に雑誌の打ち合わせあるから
ちょっと抜けるわ、宜しくなぁ」
「カメラの?」
「そうそう」
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冠番組の撮影前の楽屋にはメンバーが揃っていて
それぞれが「はーい」「頑張れー」って康二に返事をする
何だかんだ、優しいメンバーだなって思ったり
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「てことはよ、康二くんよぉ」
「んあ?」
「あの子は来るのかしら?」
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噂のカ・ノ・ジョ(ハートマーク)
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「きしょいなぁ〜」
「んまっ!」
「Aなら来るで?俺の担当やし」
「マジ?俺会ってみたいんだけど、いい?」
「ええんとちゃう?隣で打ち合わせする予定やし」
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思わずよっしゃ!ってガッツポーズをかましてしまう
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噂のカノジョとは、康二の雑誌連載を担当してる
東雲Aちゃんのこと(しっかりフルネーム把握済)
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そしてなんとなんと
あの渡辺翔太をも虜にしているって聞いて
これはどんな人なのか見ておかねばならん、っていう
謎の使命感に駆られていたわけで
わざわざスタジオに足を運んでくれるというこのタイミングで、俺は会いに行くことを決めた
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ちらっと翔太の方を見ると
翔太は我関せずという顔で、雑誌を読んでいる
セのフレンドだと言うのに、なんと冷静な
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そういや、目黒も会ったことあるって言ってたような
目黒の方も見てみると
少し落ち着きが無くなったようで、ソワソワしてる
きっと俺にしかわかんないだろうけど
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(なるほどねぇ………)
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きっと魅力のある人なんだろう
でもね、俺は絶対Aちゃんに落ちることないから
なんて、思いながら
康二とAちゃんが打ち合わせをしている
隣の控え室に向かった
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「失礼しまーす!」
「!! びっくりした…っ」
「ちょっと!登場早すぎん!?」
「いやー、康二くんのお仕事風景も見たいし」
「嘘つけぇ!Aに会ってみたいって言うとったやん!」
「そうなの?」
「……っ、!」
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首を傾げて不思議そうに俺を見るカノジョこそが
噂のAちゃんだって分かった途端
全身に、電流が走ったような感覚に陥った
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雪のように真っ白な肌に
水分たっぷりで潤んだ、大きく丸い瞳
艶のある綺麗な黒髪に
パッと見で分かるくらい抜群の体つき
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「……可愛いですね、すごく」
「えっ」
「深澤辰哉です、よろしく」
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アラサーにして、一目惚れしてしまった模様です
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side 深澤辰哉
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作者名:凛 | 作者ホームページ:https://twitter.com/j2hi_ve
作成日時:2022年1月12日 0時