球団職員に花束を。

□.36 もしかして(side西川) ページ37

□.side 西川遥輝

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「…当たり前じゃないですか」
7「ん？」
「私、愛してますよ」



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Aちゃんのほっぺをむにむにしてた手を離せば
へへっ、と屈託なく
でも、照れくさそうに笑うから

何気ないその一瞬に
心臓が大きく跳ねた


愛してる？
あいしてる？
アイシテル…！？


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「ファイターズのこと、もう愛してますよ」
7「え？あぁ、そっちか」


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なんだ。

てっきりいきなり愛の告白！？って思って
びっくりしたわ

まぁ、そうか
この流れやったら、普通ファイターズやんな

わぁお、俺何やってんやろ
自意識過剰過ぎや。どうしたどうした


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「別に遥輝さんのこと愛してる訳じゃないです」
7「分かっとる分かっとる」


ちょろっと舌を出して
相変わらずの俺へのうっすら塩味対応
やっぱいつもと変わらへんなぁとか思ったり


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そういえば、Aちゃんに初めて会ったのは
去年のオールスター

その時まだジャイアンツの職員だったAちゃんと
話したことは無かったけど
慎吾に話は聞いてて


んで、自主トレの時に慎吾がまさかの
Aちゃん連れてきて

はじめましての後に
「背、ちっちゃいんやな」って言ったら
ほっぺをリスみたいに膨らませて
「慎吾、私西川さん嫌い！」って怒られた


Aちゃんが俺を嫌ってんのは
その時から…やけど


.


.


「でも、やっぱり」
7「うん？」
「嫌いじゃ、ないです」
7「………ごめん、何て言うた？」




「私、遥輝さんのこと…嫌いじゃ、ないです」




散々嫌い嫌い言ってて
誤解されてるかも知れないですけど、って

手を後ろで組んで
くるっと髪を翻して回って
Aちゃんは、にししと笑った


.


7「…それは、反則やわぁ」
「何か、言いました？」



確信犯か？
そうか、そやな。とか思うたけど
どうやらそうではないらしく

照れ隠し、で
もう1回Aちゃんのほっぺを手で覆った




7(ばーかばーか)
(はふひは、はひふひ(訳:遥輝さ、やりすぎ))


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普段塩味、たまに砂糖味

Aちゃん
お前、やっぱり
そういうとこ、ずるいわぁ


.









(…あの、遥輝さん)
7(ん？)
(顔、近い…です)
7(あぁ、そやな)
(離れてください、恥ずかしい)
7(……仕返し、や)


俺がニヤリと笑えば
Aちゃんは勢いで俺から離れて

涙目で俺を睨んだその顔は
耳まで真っ赤に染まっていて






「…やっぱり遥輝さんなんて嫌いです」






…なぁ、Aちゃん
その反応は、もしかして＿＿＿？

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