球団職員に花束を。

□.20 これからも ページ21

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やっぱり大好きです


私のお友達



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？「誰だかわかるか？」


大きな手が後ろから私の目元に回る
暗くなる視界

グローブみたいに厚い手のひら
人柄を表すような あったかい声

…分かるに決まってるじゃないですか



「シャンシャンですね」
？「うん？」
「嘘です、ぱんだ」
？「…」
「サネさんですね」
90「うん、正解」



へへっ、と鼻の下を搔いて笑う

前に会った時とは違うユニホームを着ていても
柔らかい笑顔は変わっていない

お久しぶりです


實松一成さん


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「まさか、北海道でも一緒になるとは」
90「偶然にしては怖いわ」
「サネさんも修さんもいなくなって、寂しかったんで追っかけてきました」
90「わ、怖っ」
「嘘ですよ、嘘」


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「遊び相手いなかったんで、どうしよっかなーって思ってたら」
90「遊び相手？」
「まさかの北の大地へ転勤でした」
90「おう。俺も驚いたわ」


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(わーいサネさんとまた遊べる！)
90(遊び相手か…)



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「…修さんも移籍先決まってよかったですね」
90「そうだなぁ」


しみじみとドームの天井を見上げるサネさん

修さんこと村田修一さんは
ジャイアンツを戦力外になった後
独立リーグへの移籍が決まった



90「あいつなら大丈夫だよ、きっと」
「…はい」
90「きっと、新しい場所でも頑張れる」
「はい」



共に戦ってきた同士だからこそ知る
その背中 その勇姿



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「また会いたいな、修さん」
90「今度栃木まで行くか？」
「よっしゃ、行きましょう」



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「私、サネさんにずっとお礼が言えてなくて」
90「え、俺なにかしたっけ」
「ジャイアンツの職員になりたての頃、私、右も左も分からなくて」
90「あー…むっちゃオロオロしてた」
「でしょ？あー、懐かしいし恥ずかしい」



「…その時に、サネさんが声かけてくれたんです」
90「あ、ちょっと思い出した」
「キャッチャーのこと、色々教えてくれました。バッターとの駆け引きとか、心理とか、色々」
90「そうだ、教えたわ」
「たくさん、ありがとうございました」


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「これからもよろしくお願いします」
90「おう。よろしく、球団職員さん」



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90「まーたこいつの世話焼くのか」
「焼いてくれます？」
90「やるしかねーだろ、まったく」


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「待ってぱんださん」
90「ん？」
「嬉しくて涙が…」
90「え、待て鼻水は垂らすなよ」
「うぅ…でぃっじゅぐだざい…ｽﾞﾋﾞｯ」


90(わーティッシュ無くなった！)
(ざねざん…！)

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