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「え……」
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俺の話をしていいかと尋ねた尚輝くんに頷けば
想像していたよりも、ずっとずっと、大きな傷口を
私に見せてくれた
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「Aちゃんが泣いてるじゃん」
「そんなの、そんなの……辛すぎるよ、」
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尚輝くんの傷口は
同じ岐阜出身の幼なじみで、結婚を約束した恋人がいたこと
その恋人を急病で失ってしまったことや
恋人にそっくりな妹がいて
どうしても思い出さずにはいられなくなること
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「Aちゃん、泣かないで」
「私だったら耐えられないよー…」
「…時間が、解決してくれることだってあるけど
忘れられなかったらもう、仕方ないよね」
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「俺ももう、どうしたらいいのか分からないよ」
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初めて、尚輝くんの弱音を聞いた
普段から優しい人ほど
実は抱えきれないほどの闇を抱えていたりすることを知ってる
尚輝くんはまさにそうだと思った
この顔をする人は、明日が来ることさえも切ないと思う人
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尚輝くんは、本当の愛を知った人だから
だからこそ、こんな顔、するんだ
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「ずっと忘れられないし、忘れたいとも思わない
だからこそ、俺はずっと1人でいいかなって思ってるよ」
「…婚約者さんの、妹さんは？」
「婚約者の妹だし、幼なじみだから大切に思ってる
……けど、俺じゃ幸せに出来ないから、」
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そろそろあの子も、俺離れしてくれないと、
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尚輝くんがそう言った瞬間に
彼のベランダのドアが開いて
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「……美麗？」
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「会うって言ってたのに……玄関の鍵開いてたから、」
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「み、美麗さ……ん？」
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「えっ……桐ちゃん、？」
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肩で息をした美麗さんが
私と尚輝くんを交互に見た
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「尚輝くんと桐ちゃん……知り合い、なの？」
「部屋、隣に住んでるんだよ。ね、」
「は、い……美麗さんと尚輝くんこそ、」
「俺と美麗は地元も一緒の『幼なじみ』だよ。ね？美麗」
「うん……びっくりしちゃったぁ、まさか2人が隣の部屋に住んでるなんて思わなかったよ」
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声が上ずってる美麗さんを見て分かる
こんなに驚いて焦ってる彼女、仕事でも見た事ない
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私だって驚いた
尚輝くんと美麗さんが幼なじみってこと
でもそれ以上に強く分かったこと
美麗さんがずっと片想いしてるのは尚輝くんで
美麗さんの片想いは、届くことはないということ
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「尚輝くん、入ろ。…桐ちゃん、また会社でね！」
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尚輝くんは、美麗さんに腕を引かれて部屋の中へ
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続く (更新停止中)
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凛(プロフ) - を。さん» を。さんありがとうございます（ ; ; ）全員報われて幸せにしたいところです私も、、！この先の展開も是非お楽しみくださるととっても嬉しいです◎ (12月1日 14時) (
レス) id: 0a834158c2 (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - あさん» いつもありがとうございます＾＾ (12月1日 9時) (レス) @page2 id: 1916caae73 (このIDを非表示/違反報告)
を。 - 更新楽しみにしています。主人公に感情移入してしまって切なすぎる今の場面に胸が苦しいです…どんな結末になるか分かりませんが、願わくば主人公の気持ちが報われればなと思います。 (11月30日 20時) (レス) id: 7d400494da (このIDを非表示/違反報告)
あ(プロフ) - 更新楽しみにしてます😆😆 (11月30日 16時) (レス) id: 825b43b69c (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - ももさん» 今も昔も変わらずに書かせていただいているので嬉しいです＾＾私こそお返事長々とすみません、、！最後までご愛顧よろしくお願いします◎ (11月30日 11時) (レス) id: 0a834158c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：凛*
| 作者ホームページ：https://twitter.com/j2hi_ve
作成日時：2023年11月29日 22時
