儚くて、脆くて side向井康二 ページ13
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世良ちゃんと初めて会ったのは
SnowManに加入する前、お互いグループ無所属のJrの時やった
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お人形さんみたいに綺麗で
儚くて、触れたら壊れそうに思えたん、今も覚えてる
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『向井くん、初めまして…!』
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後ろから腰に手を回してくるこの抱きしめ方は、確実にあの子や
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向「その匂いは、世良ちゃんやな、!?」
「……うん」
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あれ、世良ちゃん変やな
いつもなら『匂いでわかるとか康二くんきもーい』とか
言ってくるのに、今日は声低いな
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向「世良ちゃん?おーい、どしたん?」
「………康二くんギュッてして」
向「ほぁっ!?」
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なんやねんそんな可愛いお願いは!
ドキってしちゃったやんか!全く、世良ちゃん罪やな!
もう、飽きるまで抱き締めたる!ぎゅーーーってしたる!
そう思って勢いよく振り向けば、
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向「……世良ちゃん?」
「康二くんにギュッてされたい」
向「するで?するで?でも…どしたん?」
「分かんない………」
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目を真っ赤にした世良ちゃんが立ってて
ずっと泣いてたことに気づいてびっくりした
世良ちゃんが泣いてるとこなんて見たことなかったから
どうすればいいか分からへんかった、けど
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向「おいで、いくらでも抱き締めたる」
「………康二くん大好き、」
向「俺もな、世良ちゃん大好きやで?」
「知ってる……」
向「はは、バレとった?(笑)」
「うん……」
向「話してや、何で泣いとったん?」
「分かんない……けど、心がお疲れだったのかも、」
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少し掠れた声で呟く世良ちゃんを見て
実は、誰よりも繊細で壊れやすいのはこの子やなって再確認した
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主演ドラマの撮影が終わったと思えば次はメインキャストで映画に出るのも発表されて
クイズ番組や、人見知りするのにトークも出来るからバラエティにも引っ張りだこで
グループで1番多方面で仕事をこなしてるのはきっと世良ちゃん
スケジュールも尋常じゃないくらい過密で、密かに心配しとった
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向「ほっそいなぁ、折れるで」
「康二くんだってほっそいやん」
向「世良ちゃんは折れそうやねん!」
「ふふ、康二くんと話したら楽になった」
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ありがとね、ってそっと笑った世良ちゃんは
前よりも少し痩せた気がする
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「ねぇ、康二くん」
向「ん?」
「俺…いつか皆に話さなきゃいけないことがあるんだ」
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嫌われちゃうかもしれないけど、って呟いた世良ちゃんは
やっぱり消えそうなくらい、儚かった
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作者名:凛 | 作者ホームページ:https://twitter.com/j2hi_ve
作成日時:2022年4月13日 0時