55愛 ページ7
side◎川端友紀
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お姉ちゃんなんだよなぁ…私も
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「私も、Aには自分でマンション借りるか
うちで暮らしたら?って言ってはいるんやけど」
「でも付き合ってもない男とひとつ屋根の下とか考えられんわ…」
「友紀も慎吾さんも真面目なのに
Aちゃんだけは異色やわぁ」
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マキとアヤが目を見合わせて頷き合う
私の友達さえもがこう言うのも無理はない
"ある時"から急に男癖の悪くなったAは
私の地元の女友達からの評判はよくない訳で
もちろんAの同級生ならなおさら
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「Aちゃんそこら辺のモデルとかよりも抜群に可愛いし、モテモテなのは分かるけど」
「他に頼れる友達とかおらんの?」
「あの子……女の友達おらんのよね」
「あー…そういうことか」
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本人は何も言わなかったけど
学生時代のあの子は女の子達の妬みの対象で
彼氏が定期的に変わってたAは
男の子に好かれる分女の子には好かれなかった
本人はそれをなんとも思ってなかったみたいやけど
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一度だけ、私が高校生でAが中学生だった時
当時和歌山の高校に通ってた私は、お母さんから1本の電話を受けた
『Aが水浸しになって帰ってきたん!』って
あの時のお母さん、大慌てだったなぁ
遠くにいる私にはどうしようもなかったけど
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A曰く『クラスの女子に水をかけられた』らしい
水をかけた女の子が、彼氏に『Aちゃんを好きになったから別れて欲しい』って言われたらしく、怒ってやったのだとか
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「え…そんなことあったの」
「お母さんによるとね?
その後あの子、びっくりするほどケロッとしてたみたいで。水かけた女の子……フミカちゃんやっけ、その子の彼氏だった子とは付き合ったみたい。」
「はー……逞しすぎて尊敬するわぁ」
「ほんまに。『別に私は何もしてないし?』って、ちゃっかりしてたらしいの」
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あの子らしいって言うか、なんて言うか
意志が強いと言いますか…本当に私とAは似ても似つかないって思っちゃう
さすがにそんなこと、私は出来ないし
あ。そう言えば、お兄はこのこと知ってるのかな
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「でも友紀、Aちゃんのこと大好きよね」
「……え?」
「さっきはごめん、Aちゃんのこと悪く言って
なんだかんだ、友紀とAちゃんはお互いを思い合ってるって、そう思うよ」
「…そう?」
「うん。…ごめんね」
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申し訳なさそうに言うマキとアヤ
…そこまで、自覚はなかったけどな
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凛(プロフ) - みくさん» みくさんありがとうございます◎更新分読んでくださったんですね!嬉しいです(^^)好きな子の前では弱気になってしまう哲人くんを書くのが私も楽しいです!是非最後までお付き合いお願いいたします〜! (2021年1月25日 20時) (レス) id: 0a834158c2 (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - mihoさん» mihoさんありがとうございます◎遅くなってごめんなさい!!この2人を書くのはとっても楽しいので完結までお付き合い是非お願いいたします〜! (2021年1月25日 20時) (レス) id: 0a834158c2 (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - かっぱさん» かっぱさんありがとうございます◎ゆっくり更新になってしまいますが、2人の関係をこれからも楽しく書いていきますのでよろしくお願いいたします(^^) (2021年1月25日 20時) (レス) id: 0a834158c2 (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - 更新されるのを楽しみに待っていたので、連日の更新でまた凛さんのお話が読めて、とても嬉しいです☆哲人くんとの関係性がどう進んでいくのか、読みながらドキドキしながら、そして哲人くんの少し弱気になるところもどれも素敵で続きが気になります! (2021年1月25日 20時) (レス) id: 99fb4a38f5 (このIDを非表示/違反報告)
miho(プロフ) - 待ってました!更新有難うございます! (2021年1月7日 14時) (レス) id: 42a1b7dd13 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:凛 | 作者ホームページ:https://twitter.com/j2hi_ve
作成日時:2019年6月30日 0時