ディアーマイラヴァー【山田哲人】その2

79愛 ページ31

side◎山田哲人

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" 私、病気になったの "



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SLEって病気がどんなものかということも
一万人に一人くらいの確率でなるってことも
淡々と教えてくれたAやけど

突然の重大告白、重大過ぎて頭に入ってこん
病気…？Aが、病気？
しかも治療法がまだ無い難病って、


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｢嘘やろ？｣

｢ほんとだよ｣

｢なあ、こっち見てって｣

｢だから、ほんとなの｣


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信じられへんし、信じたくない
よりによってどうしてAがって
思わずにはいられんくて、Aの肩を揺さぶった

Aは困ったようにうっすらと笑ったままで
それが憎らしいくらいに綺麗やったから
俺の方が泣きそうになってしまった

……泣きたいのはAのはずやのに


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｢泣いたよ、病気がわかった時
どうして私なの？って、入院中も一人で泣いてた｣

｢何で誰にも言わんかったん？
何で…誰にも頼らなかったん？｣

｢哲人も…お兄ちゃんもお姉ちゃんも
野球頑張ってたから、心配かけたくなかったの
……これ、まだ哲人しか知らない｣

｢でも、俺らはAが急にいなくなったから心配したんやで？｣

｢…ごめん、本当にごめん｣


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天真爛漫で、無邪気で、お騒がせなA
時には周囲に誤解されるようなこともあったけど
本当は誰よりも、周りのことを考える人やった

誰よりも思いやりのある人や…でも、こんな悲しい思いやりの方法なんてちっとも嬉しないわ

下手くそ。馬鹿。ほんまにアホや。


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｢哲人、大丈夫だよ
私生きてるよ。ちゃんと、ここにいるよ。

言ったよね？病気とも戦うし、赤ちゃんも守るって｣

｢…死ぬなよ、絶対｣

｢死ねないわよ、こんなとこで｣

｢約束やで｣

｢分かってるよ｣


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さっき、Aを振り払った手は
今度はAを抱き締めるものに変わっていた

ぎゅっと、細い身体を抱き締める

このまま力を入れたら壊れてしまうんやないかってくらいに華奢な身体付き
こんな小さな身体でこんな重たいものを背負ってきたんやと思うと、胸が締め付けられる


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｢妊娠のことはお兄ちゃんとお姉ちゃんに言うけど
病気のことは、もう少し黙ってようと思う｣

｢…Aが、そうするなら｣

｢哲人お願い。協力して欲しいの｣

｢当たり前やろ｣

｢ありがとう…哲人、大好き｣

｢………俺も、好きや｣


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" 大好き "の意味は、分かっとる


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Aの白い手をそっと握れば
嬉しそうに、涙を浮かべて笑った


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