70愛 ページ22
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ねぇ、『好きになった』って
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「どっちの、好き?」
「んー……それは、どうだろね」
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side◎You
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「ふぅ、ごちそうさま!最高だったなぁ」
「……」
「? 何こっち見てるの」
「んーん?なーんも」
「ほっぺにクリームとか付いてたら先に教えてよ?
そのまま外出れないから」
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頬杖をついて、にたにたしながら私を見て
楽しそうにしてる誠也くん
そっと手を伸ばして、私の頬に指を伝わせた
その指をぺろっと舐めて、やっぱ美味いなんて一言
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「やだ、何してるの」
「何って、ついてたら教えてって言ったっしょ」
「教えてとはいったけど…!」
「はは、こんな照れてるAちゃん見たことないわ」
「……もう、」
「やっぱ、可愛い」
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すっげぇ可愛い。
……本気なの?
私の手を彼自らの両手で包んで、透き通った目で
私を見通す誠也くん
いつになく真っ直ぐで、その手に力が篭もるのが伝わってくる
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誠也くんの表情は、どうしても
私をいちキャバ嬢として見てるようには思えなくて
それでも、そんな誠也くんを見たところで
これは落とした、私の勝ちだなんて
思ってしまう私は、それだけお金に飢えていて
最低なんだろうな……どう見ても弄んでる
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(ごめんね、でもこれが仕事なんだ)
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たとえ誠也くんが『本気』だったとしても
そのまま私の太客になってもらうよう
ちゃんと計算して仕向けるから
だから、そのためなら私____
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「ふふ、誠也くんまっじめ」
「笑うな!それに弄ぶなって」
「……いいよ?」
「えっ」
「そろそろ、だよね?」
「……マジ?」
「ホテル、予約してくれてるんでしょ」
「して……ます、」
「じゃあ……行こ?」
「…いいの?」
「今日は誠也くんとそういうことするために来たんだよ?私、」
「は〜……やっぱ敵わんわ、Aちゃんには」
「ね、早く抱いて?」
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上目遣いでおねだりして見せれば
誠也くんは勢いよく立ち上がって私の手を引いた
もうすっかり、狼の目をしてる
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「着いた……ここ」
「ふふ、誠也くん本気だ」
「本気だよ、悪い?」
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「……もう我慢出来んわ」
「誠也くん?」
「入る前に、キスしていい?」
「ふふっ、どーしよっかな」
「焦らすなって」
「…じゃあ、いいよ?」
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来て、と手を差し出せば
誠也くんが近づいてきて、唇が重なる……
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その直前だった
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「ちょっと待てや!!」
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「……哲人?」
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凛(プロフ) - みくさん» みくさんありがとうございます◎更新分読んでくださったんですね!嬉しいです(^^)好きな子の前では弱気になってしまう哲人くんを書くのが私も楽しいです!是非最後までお付き合いお願いいたします〜! (2021年1月25日 20時) (レス) id: 0a834158c2 (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - mihoさん» mihoさんありがとうございます◎遅くなってごめんなさい!!この2人を書くのはとっても楽しいので完結までお付き合い是非お願いいたします〜! (2021年1月25日 20時) (レス) id: 0a834158c2 (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - かっぱさん» かっぱさんありがとうございます◎ゆっくり更新になってしまいますが、2人の関係をこれからも楽しく書いていきますのでよろしくお願いいたします(^^) (2021年1月25日 20時) (レス) id: 0a834158c2 (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - 更新されるのを楽しみに待っていたので、連日の更新でまた凛さんのお話が読めて、とても嬉しいです☆哲人くんとの関係性がどう進んでいくのか、読みながらドキドキしながら、そして哲人くんの少し弱気になるところもどれも素敵で続きが気になります! (2021年1月25日 20時) (レス) id: 99fb4a38f5 (このIDを非表示/違反報告)
miho(プロフ) - 待ってました!更新有難うございます! (2021年1月7日 14時) (レス) id: 42a1b7dd13 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:凛 | 作者ホームページ:https://twitter.com/j2hi_ve
作成日時:2019年6月30日 0時