ディアーマイラヴァー【山田哲人】その2

65愛 ページ17

side◎山田哲人

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様子がおかしい、勇人さん



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(どうしたんやろ？)


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いつもより妙にAのこと聞いてきたし
最後、何を言ったかわからなくて
え？って聞き返せば
整ってた髪をガシガシ搔いて店を出てくし
……顔も青ざめてたような？

ってか、勇人さん代金払い忘れとるし
まぁええか、お世話になっとるし今日は俺の奢り


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勇人さんがいなくなったおかげで
今日の二人の食事会は早くもお開き

俺はワインを一杯飲んだきりで腹ぺこやけど
まぁ…Aもそろそろ帰ってくる時間やし
そのまま家に帰ることにした


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｢……んっ？｣

｢あれ？｣

｢A？｣

｢哲人だー！｣


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家に向かう道、正面からやって来たのは
夜道はっきり分かった…Aで

彼女の目に俺が映し出されたその時
手を振って、とことこ俺の元へ駆けてきた

(あー……やっぱり、可愛え)


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｢お疲れ！｣

｢Aもお疲れさーん｣

｢あれ？今日ご飯外で食べてくるんじゃなかったの｣

｢もうお開きになった｣

｢そーなの！じゃあ食べてないの？｣

｢食べてへんー。めっちゃ腹減ったわ｣


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あー、お腹鳴りそ。
空っぽな胃袋、Aも帰ってきたばかりで疲れてるやろし…今日は自分で作るかな、なんて考えていたら


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｢実はさ、私もまだなんだよねぇ｣

｢え？お客さんとかと食べたんやないの｣

｢あー、同伴のこと？
私基本同伴はしないから一人で夜ご飯は食べてるよ

今日は夕方食欲なくって…でも今なら大丈夫！
私もお腹ぺこぺこだから、どっか食べに行こ！｣


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久しぶりにラーメンとか行きたいなぁって
俺の背後に回って抱きついてくるA
こいつ、新しいおねだりの方法覚えたやんか
キャバクラで覚えたんかな…いや、これ以上そんなこと考えるのは辞めよ


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｢あそこちょうど空いとるやん｣

｢あんなとこにお店あったの？知らなかった｣

｢…行くかぁ！｣

｢行く！！｣


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おー！なんて言いながら二人で拳を上げて
駆け足なんてしてみる

夏の終わり、高校生の時に戻ったみたいな気分で
ラーメン屋に入った

(たまには、ええやんな)


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｢哲人何にする？｣

｢豚骨か醤油ー…あーやっぱ味噌かな｣

｢私塩♡｣

｢…じゃあ俺もそれにしよ｣


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わぁお、たーんじゅん。
なんて、自分でも呆れ返ってしまう程
選択肢には無かったのにな、塩味のラーメン

Aにも、哲人私の真似したーって笑われる始末
うーん…笑ってくれるなら、まぁええか


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