63愛 ページ15
side◎鈴木誠也
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小さなピアスの反射でさえ眩しいなんて
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「ん〜〜っ、ごちそうさま!」
「へーい、おそまつさま〜」
「いいの?こんな高いご飯」
「いいよ、ってか俺が払う前提で同伴頼んだし?」
「んふふ、ゴチになりまーす♡」
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ありがとう、耳元で囁いて
にこっと微笑むAちゃん
いつもなら綺麗にアレンジしてある髪を
今日はふわりと巻いて下ろしてて
髪を耳にかけた時に覗く金のピアスが
少し反射しただけで、こんなに……やばいな、俺
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会計を済ませて、俺を待つAちゃんの元へ駆け寄った……あれ、何で自然と腕なんて組んでくんの
ちょっと待て?…胸、胸当たってない!?
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「あれ?Aちゃん?」
「同伴と言えばこれでしょ、カップル風?」
「…わぁお」
「えー、ダメだった?」
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俺を見上げて少し不貞腐れたような顔をするAちゃんは、そう言いつつも俺の腕からしがみついて離れなくて…さらに力を込めて、俺との距離を縮めてくる
あかん、その上目遣いは絶対あかん
そんなことされたら誰だって落ちる
それなら俺だって………うわ、何考えてんだ
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「いや?むしろありがとうって感じ」
「おっ、誠也くんいい笑顔だ」
「Aちゃんのおーかげ」
「そう?ふふ、お酒のせいでもあるでしょ」
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この、って俺の方を指でつついて
Aちゃんも楽しそう…な、はず
この子は本当にお酒が飲めないらしく
今日もオレンジジュースを注文してた
初めて会った日、レイラちゃんの頼みとは言え
この子に無理矢理お酒を飲ませようとしたんだよな
うわ〜〜…最っ低やん俺、ほんとアホ
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……でも、Aちゃんに近づいたのだって
レイラちゃんのナンバーワンの座を奪った
憎い相手だからじっくり復讐して、って
頼まれたからなんだよな
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『俺、Aちゃんのこと、すっげえいいなって思ってる!』
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あの時そう言ったのだって
ただAちゃんに近づいた第一歩
レイラちゃんの復讐代行の序章なだけだったのに
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『また来てくれるんだ?』
『ここでAって呼ぶの禁止!』
『自信満々でなきゃナンバーワンになれないよ』
『誠也くんだけ、特別ね』
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「…誠也くん?」
「……えっ?」
「どーしたの」
「…なんも?」
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(赤く煌めくその唇を塞ぎたい)
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どうやら俺、本当に"落ちちゃった"みたいだ
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「…カバンとか欲しい?」
「すぐ質屋で売るから欲しい」
「潔っ!」
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凛(プロフ) - みくさん» みくさんありがとうございます◎更新分読んでくださったんですね!嬉しいです(^^)好きな子の前では弱気になってしまう哲人くんを書くのが私も楽しいです!是非最後までお付き合いお願いいたします〜! (2021年1月25日 20時) (レス) id: 0a834158c2 (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - mihoさん» mihoさんありがとうございます◎遅くなってごめんなさい!!この2人を書くのはとっても楽しいので完結までお付き合い是非お願いいたします〜! (2021年1月25日 20時) (レス) id: 0a834158c2 (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - かっぱさん» かっぱさんありがとうございます◎ゆっくり更新になってしまいますが、2人の関係をこれからも楽しく書いていきますのでよろしくお願いいたします(^^) (2021年1月25日 20時) (レス) id: 0a834158c2 (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - 更新されるのを楽しみに待っていたので、連日の更新でまた凛さんのお話が読めて、とても嬉しいです☆哲人くんとの関係性がどう進んでいくのか、読みながらドキドキしながら、そして哲人くんの少し弱気になるところもどれも素敵で続きが気になります! (2021年1月25日 20時) (レス) id: 99fb4a38f5 (このIDを非表示/違反報告)
miho(プロフ) - 待ってました!更新有難うございます! (2021年1月7日 14時) (レス) id: 42a1b7dd13 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:凛 | 作者ホームページ:https://twitter.com/j2hi_ve
作成日時:2019年6月30日 0時