59愛 ページ11
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私の人生を変えた人
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(あの時と同じ街、同じシチュエーション)
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「あれ、Aちゃんやん」
「……坂本さん、」
「奇遇やん、どしたん?」
「坂本さんこそ…なんでこんなとこに?」
「俺?俺は今日からハマスタで3連戦」
「あー…そっかぁ、そうですか」
「そっちは?」
「私は…横浜一人歩き中、的な?」
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白いワイシャツにメガネ姿でそこに立ってたのは
坂本さん……びっくりして、一瞬呼吸が止まった
酸素の吸い方も、忘れたような感覚だった
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坂本さんと目を合わせることが出来なくて
視線を足元に置きながら
なんとか笑って会話する…でも上手く笑えてるかな
あぁやだなぁ、ここに居たくないな
早く抜け出しちゃいたい、耐えられないよ
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「…私もう行きますね、坂本さんも試合頑張って」
「あー…ちょっと待った」
「もう、何ですか?」
「俺昼飯食ってないねん、一緒に行こうや」
「無理です、急いでるんで」
「おひとりさまで観光中なんやろ?」
「……」
「ちょっと付き合ってや」
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坂本さんに腕を引かれて車に乗せられる
最悪。どうして一人歩き中とか言ったんだろ
ほんまにほんまにあんぽんたん…!
だって、相手は今一番会いたくなかった人
ううん、会ってはいけない人だったのに
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" Aちゃん、やろ? "
" 勇人さん……? "
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あの日、私たちが会ったのも横浜の街だった
やだ、こんな堅固な縁で結ばれたくないよ
何色の糸が私たちに絡みついてるの?…離してよ、
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「めっちゃ顔こわばっとるやん」
「そう?気のせいですって〜…」
「じゃあなんで1回もこっち見てくれへんの」
「……いやそんな、」
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坂本さんと鏡越しに目が合って
意味深に微笑まれたから、慌てて目を逸らした
シャツの袖をまくって、胸元のボタンを開けて
風を仰ぐ……余裕そうな目に胸が締め付けられる
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「この間3ヶ月ぶりくらいに会ったらよそよそしいし」
「それも気のせいです、」
「じゃあなんで前みたいに勇人さんって呼んでくれへんの?」
「……っ、」
「教えてや」
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微笑みながら…でも何かを熱く訴えるような表情
唇を噛んで、スカートをシワが出来るまで握った
お願い…これ以上はもうやめて
私を解放してください、離してください
でないと、私が壊れてしまうから
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「坂本さん、私……んっ…!?」
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信号を待ってる途中だった
坂本さんを見上げた瞬間、視線が交わったと思えば
唇を塞がれた
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凛(プロフ) - みくさん» みくさんありがとうございます◎更新分読んでくださったんですね!嬉しいです(^^)好きな子の前では弱気になってしまう哲人くんを書くのが私も楽しいです!是非最後までお付き合いお願いいたします〜! (2021年1月25日 20時) (レス) id: 0a834158c2 (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - mihoさん» mihoさんありがとうございます◎遅くなってごめんなさい!!この2人を書くのはとっても楽しいので完結までお付き合い是非お願いいたします〜! (2021年1月25日 20時) (レス) id: 0a834158c2 (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - かっぱさん» かっぱさんありがとうございます◎ゆっくり更新になってしまいますが、2人の関係をこれからも楽しく書いていきますのでよろしくお願いいたします(^^) (2021年1月25日 20時) (レス) id: 0a834158c2 (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - 更新されるのを楽しみに待っていたので、連日の更新でまた凛さんのお話が読めて、とても嬉しいです☆哲人くんとの関係性がどう進んでいくのか、読みながらドキドキしながら、そして哲人くんの少し弱気になるところもどれも素敵で続きが気になります! (2021年1月25日 20時) (レス) id: 99fb4a38f5 (このIDを非表示/違反報告)
miho(プロフ) - 待ってました!更新有難うございます! (2021年1月7日 14時) (レス) id: 42a1b7dd13 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:凛 | 作者ホームページ:https://twitter.com/j2hi_ve
作成日時:2019年6月30日 0時