05恋 ページ6
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ずっと、聞きたかったことがある
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私たちは、"幼なじみ"だけど、
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「今宮さんおはようございます…ん?誠知?」
「おはよ、Aちゃん
あー…ばやしね、高熱出したみたいでさ」
「誠知が熱なんて珍しい…」
「Aちゃんとばやし、双子でしょ?
医務室でばやし見ててくれない?」
「双子ではないですけど(笑)…わかりました」
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朝一で球場に出向いたら
今宮さんにおぶられる誠知がいた
今宮さんと一緒に医務室に行けば
"ごめん、あとよろしくね"って誠知を託された
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「誠知ー…」
「…」
「誠知、くん」
「……」
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ベッドの上に横たわって、目を閉じて
寝息を立てる誠知に声を掛けてみるけど
これは…起きる気配、なさそうだな。
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(……熱い、)
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誠知の形のいい額に手を当てれば
ほかほかしてて、顔も赤いし
本当に熱あるんだ…なんて馬鹿なことを思った
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プロ野球選手は体調管理だって重要だけど
そろそろ疲れが出てきたのかな
毎日、頑張って試合に出てたもんね
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(肌、綺麗…)
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寝ている隙にと、まじまじと誠知の顔を見つめる
キメ細やかな肌…そこら辺の女子よりも綺麗で
うぅ、何だかムカつく
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「__ねぇ、誠知」
「…」
「ずっと、聞きたかったことがあるの」
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彼が眠っているのをいいことに
ゆっくり、そっと耳元に唇を近付けた
私から誠知に近付いたくせに
心臓が、ばくばく音を立てて止まらない
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私たちは、また前のように…
子どもの頃のように、話す機会は増えても
お互いに、触れなかったこと
いや…多分、触れようとしなかったんだと思う
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「……教えて、欲しいの」
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大人になって再会した私たちは
前と変わらずに接してきた
だけど、あの時から確かに
私と誠知の中で、何かが動いた
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「誠知、」
「…ん……」
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……よかった、寝言か。
少し動いて、眉を動かした誠知
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起きてる時に言うのは…まだ勇気が出ないから
ずるいかもしれないけど
誠知が聞いてない今、
こっそりだけど…尋ねさせて欲しい
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知りたいの
ねぇ、教えて誠知
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「どうしてあの日、私にキスしたの……?」
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8年前の、春の日
私と誠知の唇は、確かにひとつに重なり合ったんだ
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(幼なじみ……の、はずだったのに。)
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誠知、どうしてなの?
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凛*.(プロフ) - リンさん» リンさん(´∀`)ついにです...!ここまでお付き合いくださってありがとうございます! (2018年11月11日 23時) (レス) id: da5814e32d (このIDを非表示/違反報告)
リン(プロフ) - つ…遂に!! (2018年11月11日 23時) (レス) id: 03ef5bc57a (このIDを非表示/違反報告)
凛*.(プロフ) - 澪さん» 澪さん◎ありがとうございます( ; ; )嬉しいコメントに私もキュンキュンしちゃいました(´▽`*)応援ありがとうございます! (2018年11月10日 14時) (レス) id: da5814e32d (このIDを非表示/違反報告)
澪(プロフ) - 突然のコメント失礼します。殿堂入りおめでとうございます!とてもキュンキュンしながら読ませていただいてます。これからも更新頑張って下さい! (2018年11月10日 12時) (レス) id: 10f685532e (このIDを非表示/違反報告)
凛*.(プロフ) - リンさん» リンさん◎ありがとうございます!是非2人の行く末を見守ってください...! (2018年11月6日 7時) (レス) id: da5814e32d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:凛* | 作者ホームページ:https://twitter.com/j2hi_ve
作成日時:2018年9月18日 1時