15恋*side上林誠知 ページ16
side◎上林誠知
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夜空と、ブランコとコーラ
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東浜さんとAのツーショットを見た俺は
その後どうも落ち着かなくて
甲斐さんになだめられて家に帰った
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家にいても落ち着かなくて
近くの公園に出て、ブランコに座った
夜の人気のない公園
昔、俺とAがよく遊んだ場所に似てる
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(…東浜さん、か)
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東浜さんがAのこと、好きなの
何となく、分かってはいた
東浜さんはよく、カメラを構えるAを見てた
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そんな東浜さんの目がいつもよりずっと優しいこと
(そしてそれに全く気付かない鈍感なAのこと)
2人をよく知ってる俺は、すぐ勘づいた
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東浜さんが、熱を出した俺を送ってくれた時の会話
ふと目を覚ました俺は
朦朧とする頭のまま、それを聞いてた
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"別の呼び方で、呼んで欲しいな"
"巨、くん?"
"今日のことは、ふたりだけの秘密ね"
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あのー、俺も聞いてますけど
なんて言えるはずもなく
ましてやそんな気力もなかったけど
ふつふつと…なんて言うか、言葉にし難い感情が
俺の中で込み上げてきて
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さっきの東浜さんとAを見た時も同じ
イライラして、むしゃくしゃして
黒い何かが、もやもや、もやもや
心から離れなくて
いても立っても、いられなくなって
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「…何なんだよ、」
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Aだって…あんなに楽しそうにして
上機嫌に歌なんか歌って
今日なんか、ちゃんと化粧しておしゃれもしてたし
あんな気合い入った薄ピンクのブラウス
俺だって1回も見たことないんですが
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いつもより綺麗で…"女"らしかった
あの時の様に、もう子どもじゃなくなったあいつを
思い出して、無性に腹が立って
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「…何が、巨くんだよ」
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砂利を足で思いっきり蹴って
髪をガシガシと掻きむしった
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高校に上がる前の春の日
思春期真っただ中、俺が旅立つ前のあの日
俺がAに、キスをしたのだって
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「何してんのよ」
「…ん?」
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俺がはぁ、と大きなため息をついたのと
背後から声をかけられたのは同時だった
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「……」
「何、私の顔に何かついてる?」
「いや、暗くてよく見えねぇ」
「あ…確かに
じゃなくて。何してるの?」
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大きな目を、ぱちぱちさせて
ほいって俺にコーラを手渡しつつ
隣のブランコにどっかり座ったのは
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噂(?)をすればの
…俺の幼なじみ、だった
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「…ちょっと、考えごと」
「あ、野球のこと?偉いね」
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いや…お前のこと、なんだけど
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凛*.(プロフ) - リンさん» リンさん(´∀`)ついにです...!ここまでお付き合いくださってありがとうございます! (2018年11月11日 23時) (レス) id: da5814e32d (このIDを非表示/違反報告)
リン(プロフ) - つ…遂に!! (2018年11月11日 23時) (レス) id: 03ef5bc57a (このIDを非表示/違反報告)
凛*.(プロフ) - 澪さん» 澪さん◎ありがとうございます( ; ; )嬉しいコメントに私もキュンキュンしちゃいました(´▽`*)応援ありがとうございます! (2018年11月10日 14時) (レス) id: da5814e32d (このIDを非表示/違反報告)
澪(プロフ) - 突然のコメント失礼します。殿堂入りおめでとうございます!とてもキュンキュンしながら読ませていただいてます。これからも更新頑張って下さい! (2018年11月10日 12時) (レス) id: 10f685532e (このIDを非表示/違反報告)
凛*.(プロフ) - リンさん» リンさん◎ありがとうございます!是非2人の行く末を見守ってください...! (2018年11月6日 7時) (レス) id: da5814e32d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:凛* | 作者ホームページ:https://twitter.com/j2hi_ve
作成日時:2018年9月18日 1時