□. 石川直也 リクエスト ページ10
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「Aさんの一言で、一喜一憂してる人だっているんですよ」
・
気づいて…ますか?
・
「……え?」
目を真ん丸にして首を傾げた僕の先輩。
僕の正面で烏龍茶を飲んだ彼女は、驚きつつ不思議そうな顔を僕に向ける。
うん、予想通りの反応。
だって、先輩鈍感ですもん。
いい意味でも、悪い意味でも。
だけど、僕が言う「鈍い」は悪い意味です。
そんなことさえ、あなたは気づいていないだろうけど。
恋愛に対しては奥手な僕。
自分で行くかって言うよりは待つタイプだし、そもそも自分から恋なんてしたことあったかな。
好きだって言ってくれた女の子だっていたけど、なんとなく僕には合わないような気がして、受け入れたことはなかった。
要するに恋愛経験がほぼなかった、僕。
そんな僕が
・
「ちょくくん!」
「今日もお疲れ様!」
「そのCHOKU帽子、似合ってるよ」
・
いつだって純粋で、無邪気で、楽しそうに笑うあなたを、気づいたら好きになってました。
…奥手な僕なりに、これまで何度かアプローチはしたんだけど。
頑張って目を合わせて話をするようにしたり。
(すっごい緊張してすぐ目を逸らしちゃったりしたこともあるけど)
軽くボディータッチしようと努力したり。
(その手はぷるぷる震えてました、反省)
笑顔を心掛けたり。
(怖い笑顔になってた…かもしれない)
僕の主張が弱かったのか、それともAさんが鈍いからか。
多分両方が噛み合って、きっと今もAさんに僕の気持ちは伝わってなくて。
それでもAさんとはなんとか仲のいい先輩と後輩にはなれた…はず。
よくやった、えらいぞ僕。
今日ふたりでご飯に来れたのは、これまでの軌跡があったからこそ、だと思う。
「…ちょくくん、それはどういう意味?」
一喜一憂って?
うーん…と唸って顎に手を当てて考える、鈍感お姉さん。
トドメの一球。そう思って伝えてみたけど、どうやら彼女には何も伝わっていないらしい。
さすが、僕が惚れた女の人。
どのバッターなんかよりも手強くて…
可愛くて、愛おしい人だ。
・
「…つまりは、」
僕にしか相談出来ないって頼ってくれたとき、すっごく嬉しくて舞い上がりましたし
後輩にしか見えないって言われた時はすっごいへこみました。
…まどろっこしくて、伝わってなかったかもしれないですけど
「あなたが、好きなんです。」
・
今度こそ
トドメの一球。
精一杯の、ストレートです。
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凛(プロフ) - ロケットさん» ロケットさん´`*お返事遅くなって申し訳ないです(T_T)この作品もいつか更新できたらと思いますのでその時はよろしくお願いします! (2019年9月16日 16時) (レス) id: 9e717ea10a (このIDを非表示/違反報告)
ロケット - ( ゚∀゚)・∵. グハッ!!最高でした!他の作品の投稿頑張ってください! (2019年7月25日 21時) (レス) id: 90ba40770e (このIDを非表示/違反報告)
凛*.(プロフ) - 現在リクエストは受け付けておりません( ; ; )申し訳ないです...! (2018年10月13日 0時) (レス) id: da5814e32d (このIDを非表示/違反報告)
みるく。 - この小説大好きです!リクエストなのですが、ファイターズ中島選手で、甘い系でお願いします! (2018年9月29日 14時) (レス) id: 8cf90193ed (このIDを非表示/違反報告)
瞳(プロフ) - こんばんは!カープの鈴木選手が彼女にプロポーズする話をお願いします!事前にタナキクマルに相談し、プロポーズ時には影で見守っている部分も入れて下されば嬉しいです! (2018年9月22日 20時) (レス) id: 10d7566248 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:凛* | 作者ホームページ:https://twitter.com/j2hi_ve
作成日時:2018年1月21日 16時