□. 中島卓也 リクエスト ページ23
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強行突破
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おかしい。何かがおかしい。
「"中島くん"、コーヒーいる?」
「ん、ありがと」
Aと見事付き合う事が出来て、早3ヶ月。
それなのに。それなのに。
彼女は俺に対して「中島くん」呼びのまま。
Aはツンデレだし、そこに惹かれたのは紛れもなく俺なんだけど。
そろそろ…さ。
下の名前で呼んで欲しかったり。
「な、A」
「なに?」
「…いや、何でも」
「そう?」
二人ソファーに並んで、テレビを見る。
いわゆるお家デート。
下の名前で呼んでほしいって思いは言葉にならず、特に気にも留めていない様子のAは、視線をテレビに戻した。
さっぱりした性格は彼女特有で。
ちょっと寂しい気がするのは…なんて、理由はもう分かってる。
(こうなったら、もう)
(強行突破、するしかなさそうだ)
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「A、」
「中島く…んっ」
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なんの警戒心もないAの腕を強く引いて、唇を押し付けた。
触れる柔らかい感触。
舌を絡ませ、かかる吐息が熱い。
Aの後頭部に手を回せば、二人の距離はゼロに等しくなる。
「な…かしまく、ん」
頬を桃色に上気させて、肩で息をしながらAは途切れ途切れで呟いた。
恥ずかしそうに目をそらし、腕で顔を隠す。
「なんで、急に」
「…そろそろ、Aに名前で呼んで欲しくて」
「そんなの、恥ずかしいんだけど」
「俺が最初、どれだけ"A"って呼ぶのに勇気使ったと思っとるん?」
「それは、」
「なぁ、呼んで?"卓"ってさ」
「…」
キスをした時よりも顔を真っ赤にして、ふるふると首を横に振るA。
…可愛い。
少しいじめたくなるのは、男の性、だろうか。
「呼んでくれんの?そっか、悲しいなぁ」
「あ…待って、」
「んー?どうした、Aちゃん」
「呼ぶから。ちゃんと呼ぶから。
………"卓也くん"。
っもう、恥ずかしいよやっぱ」
「…よく出来ました」
唇を噛んで、涙目で俺を睨むA。
逆効果ですよ。どれだけ俺の胸を締め付ければ気が済むんだ。
嬉しくて、思わずふはっ、と笑みが零れる。
Aの艶のいい髪を優しく撫でれば、
「…中島くんのバカ。…あ」
「あれ、もう終わり?」
「…卓也くんのバカ。」
恥ずかしそうに俯いた。
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愛は支配しない。
愛とは、育てるものだ。
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「…卓也くん」
「ん?」
「もう1回…キス、したい」
「…仰せのままに」
ツンデレ彼女と中島さん。
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凛(プロフ) - ロケットさん» ロケットさん´`*お返事遅くなって申し訳ないです(T_T)この作品もいつか更新できたらと思いますのでその時はよろしくお願いします! (2019年9月16日 16時) (レス) id: 9e717ea10a (このIDを非表示/違反報告)
ロケット - ( ゚∀゚)・∵. グハッ!!最高でした!他の作品の投稿頑張ってください! (2019年7月25日 21時) (レス) id: 90ba40770e (このIDを非表示/違反報告)
凛*.(プロフ) - 現在リクエストは受け付けておりません( ; ; )申し訳ないです...! (2018年10月13日 0時) (レス) id: da5814e32d (このIDを非表示/違反報告)
みるく。 - この小説大好きです!リクエストなのですが、ファイターズ中島選手で、甘い系でお願いします! (2018年9月29日 14時) (レス) id: 8cf90193ed (このIDを非表示/違反報告)
瞳(プロフ) - こんばんは!カープの鈴木選手が彼女にプロポーズする話をお願いします!事前にタナキクマルに相談し、プロポーズ時には影で見守っている部分も入れて下されば嬉しいです! (2018年9月22日 20時) (レス) id: 10d7566248 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:凛* | 作者ホームページ:https://twitter.com/j2hi_ve
作成日時:2018年1月21日 16時