□. 藤浪晋太郎 ページ2
眠らない鼓動
震える身体
じんわり滲む涙_________
・
「A、お風呂出たでー」
「ひゃ、あ…うん、了解」
「声裏返りすぎやで?」
「あ…ごめん」
…あぁ、またやっちゃった。
地声よりオクターブ近く跳ねた私の声に、口元を腕で隠してくくく…と笑う晋太郎くん。
恥ずかしくなって、つい下を向いてしまう。
・
彼氏の晋太郎くんの家に、初めてのお泊まり。
…当たり前ですが。
本当に、本当に緊張しています。
もう、今にも泣きそうです…
モノトーンで統一された晋太郎くんの部屋。
絨毯も、ソファーも、時計も、机も…
ひとつひとつに晋太郎くんらしさが詰まっている。
この部屋は晋太郎くんが普段から毎日使っている場所で。
部屋中が晋太郎くんの香りに包まれていて…いてもたってもいられません…
それに…お風呂上がりの彼は今、ズボンに上半身はタオル1枚かかっているのみ…いわゆる裸。
壁にもたれて「あー可愛い」なんて涙を浮かべる晋太郎くんからは、艶めかしい色気が漂っていて、視線のやり場に困ります。
もう!あなたこのシチュエーション、わかってますか!?
いつもみたいに晋太郎くんの大きな背中をぽかぽかと叩いて怒ってやりたかったけど、今は恥ずかしくて…そんなことできません。
・
「A」
「わ、え、」
緊張で震えていた身体は晋太郎くんの力強い腕に引き寄せられて。
気づいたら、晋太郎くんの腕の中に包まれていた。
「し、んたろ、くん」
「…あのな?」
190センチ超えの彼は少し腰をかがめて、私の耳元で囁く。
晋太郎くんの吐息がかかって…心臓の高鳴りはとどまることなく増していって。
「A、緊張しとるやろ?」
「…うん」
「分からんやろうけど…俺もAくらい緊張しとって…うん、かなりヤバい」
これで…分かるやろ?
晋太郎くんは私の手首を掴むと、自分の胸に当てた。
…手のひらから伝わるのは、晋太郎くんの…速めのリズムを刻んだ鼓動で。
「…恥ずかしい」なんて、自分から切り出したのに…視線を逸らした晋太郎くんは耳まで真っ赤で。
「…ほんとだ」
「…やろ?」
「…一緒だ」
「…うん」
視線が合えば、ふたり同時に吹き出して。
晋太郎くんは私を抱く腕に、ぎゅうっと力を込めた。
(…ところでA、)
(ん?)
(この状態も…かなりヤバいんやけど)
(え?あ…わっ)
重なる二人の鼓動
加速するには、まだまだ早いみたいで
・
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凛(プロフ) - ロケットさん» ロケットさん´`*お返事遅くなって申し訳ないです(T_T)この作品もいつか更新できたらと思いますのでその時はよろしくお願いします! (2019年9月16日 16時) (レス) id: 9e717ea10a (このIDを非表示/違反報告)
ロケット - ( ゚∀゚)・∵. グハッ!!最高でした!他の作品の投稿頑張ってください! (2019年7月25日 21時) (レス) id: 90ba40770e (このIDを非表示/違反報告)
凛*.(プロフ) - 現在リクエストは受け付けておりません( ; ; )申し訳ないです...! (2018年10月13日 0時) (レス) id: da5814e32d (このIDを非表示/違反報告)
みるく。 - この小説大好きです!リクエストなのですが、ファイターズ中島選手で、甘い系でお願いします! (2018年9月29日 14時) (レス) id: 8cf90193ed (このIDを非表示/違反報告)
瞳(プロフ) - こんばんは!カープの鈴木選手が彼女にプロポーズする話をお願いします!事前にタナキクマルに相談し、プロポーズ時には影で見守っている部分も入れて下されば嬉しいです! (2018年9月22日 20時) (レス) id: 10d7566248 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:凛* | 作者ホームページ:https://twitter.com/j2hi_ve
作成日時:2018年1月21日 16時