【キヨ】愛が重いと言われた俺はあの男との距離感に悩んでいたりする【男主】

本番5 ページ32

すみません！一日遅れました！！



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「台詞」


案の定といっていいほど、監督は低い声を出し席をゆっくりと立ちあがる

「なぜ、変えた」

逃げるな、俺。

『理玖の気持ちをより深く感じ取ってもらうためです。』


周りの緊張が伝わるなか、俺はすぅ、と息を吸いはっきりと言葉にした。

『田島は既婚者です。理玖はその幸せを壊すつもりはないと思います。
けれど、壊したいぐらい彼女が好きなら？、愛せるなら？と俺なりに考えたのが、アレでした』

「・・・江藤」

「は、はい！」

次に監督は女優さんに目を向け、彼女に口を開く

「打ち合わせは有ったのか」

「ありませんでした。…監督。私は今のシーン凄く良かったと思います。アレで行きませんか？」

相手からは好感触らしい。



…喜びたいけど、今は。



監督がどう言うのか気になって、俺は口を開くのを待った。

「………随分、良くなったな」

『…っえ』

「原作者には俺から言っておく、台本を少し変えると。」


『ありがとうございます！！！』

目頭が熱い

俺は泣きそうになるのを防ぐため、頭を下げる


どうしよう、今すぐに清崎さんに伝えに行きたい。


そんなことは叶わないけれど、それぐらい俺は待望していた。

だって、清崎さんから言われたことが役に立って、今があって、




とりあえず顔を上げると、こうすけが笑った顔を見せてくれた。


…清崎さんもあれぐらい喜んでくれるだろうか。



終わったら、絶対電話しよう

そう決意し、午後からの撮影にも俺は気合を入れた。

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