【キヨ】愛が重いと言われた俺はあの男との距離感に悩んでいたりする【男主】

仕事4 ページ26

約３０分後。


撮り終え完成したモノは、チェックの後合格を貰い終わりを告げた。

「今日はお疲れ様でした！！」

『こちらこそありがとうございました。』


挨拶をそつなく返すと、腕を組んで待っていたこうすけの元へ行く

「おつかれ。」

『ありがとう。時間は？』

「良い感じだな、どうする？こっから現場までは最短ルートで15分くらい。先に現場入りしたい？」

『うん。』

聞かれた手段に肯定した後、俺とこうすけは廊下を歩き始める。


ええと、今からは役をどう演るか正解を出して煮詰めて、…


『…そういえば車って、こうすけはどうしたんだ？』

ふと浮かんだ疑問に俺は質問を口に出した。


ここへは現地集合だし、今から俺とこうすけで二台で行くわけないよな？

「わかんないけど、今頃家に着いてんじゃない？」

『え？』

「なんか友人から迎えに来てって言われてさあ。しかもそいつ車家だって言うし、じゃあどうやって来たんだよ！！」

『う、うん？』

あまり話の見えない返し方をされ、俺は困惑するもののこうすけはぶっ続けて喋る。

「昼夜逆転の生活を送ってる彼奴が、今日に限って朝に、しかもあんなビルに何の用があったんだ…。」

『…車はその人に任せたって事か？』

「そうそう！」

『へえ、…だいぶ謎な人なんだなその人』

でもそういう遠慮をしない友達は素直に羨ましい


…本音を言い合う友達なんて、俺には絶対ない事だから。

こうすけには言っていない過去を頭の中で流しながら俺は無表情を作った。

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