【キヨ】愛が重いと言われた俺はあの男との距離感に悩んでいたりする【男主】

出会い5 ページ11

「…手伝って欲しいことっすか？」

彼はさっぱり意味が分からないという様に俺を直視する


『はい。俺の演技を、指摘して下さい』

「…………………え」

『え？』

何か可笑しなこと言ったか…？

『あの、演技を』

「いや聞こえてるから待って。…え？」

繰り返し言おうとすると、手で制され彼は頭を抱えた。


「それ、俺でいいの？」

『…もっと、俺は違う自分に変わりたいんです。過去すら何もないような、誠実で真面目な。』

「…ん、もうなってると思いますけど。手伝いますよ。」

『本当ですか！？ありがとうございます！！』

よし。


俺は頭を下げ、眼鏡を外しある程度素を見せるようにして話す

『当てていただいた通り、俺は北郷Aです。』

「あ、ああ清崎ゆうやです。」

『今から時間ありますか？早速頼みたいです。』

「今からっ！？？？」

清崎さんは困ったように表情を見せ、視線をレジ袋に向けた。


あ。もしかしてこれ友人と

『すみません、今日はもう大丈夫です。明日6時にここに来れませんか？』

「あ、それならいけますね。4時でもいいっすよ」

『…ほんとに？じゃあ4時でお願いします。』

この人何の仕事しているんだ…？

とはいえ、4時なら練習が沢山出来る


「じゃあレシートとそれ…」

『あ、…はい』

優しい人で良かった。

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