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ab side
佐久間はよく、俺に優しいって言うけど
俺にとっては佐久間の方が優しすぎる。
昔から佐久間は何をするにも
人の事ばっかり考えてて
七夕のお願いでさえも
他人の事を書いていた。
"世界中の皆んなを笑顔にする"
なんて、
できっこないのに
佐久間だったら叶えられそうで
俺は笑ながらも、本当にそうなればいいなと思った。
佐久間に告白されて、嬉しかったのに
今の関係が崩れるのが怖くて断った俺を
佐久間は何も気にしてないフリをして
ずっと前と同じ様に接してくれた。
きっと俺に気を遣わせない為でしょ？
そんな、佐久間の優しさに甘えてしまった俺には
バチが当たったのかな？
佐久間に誘われて見に来た桜は
あの日と同じく満開で
ハラハラと舞っていく花びらが
佐久間のようだと思った。
可憐で、綺麗で、小さい。
皆んなを笑顔にさせながらも
掴もうと手を伸ばすと、
気まぐれに指の隙間から落ちていく。
そんなみんなが手に入らない佐久間の
隣に居れることが嬉しくて
浮かれてたんだ。
たまたま、目に入った人が桜をモチーフにした
髪飾りをつけていて
それがすごく桜の木と合っていて
綺麗だと思ったのに
まさか、それを佐久間に聞かれてたなんて…
急に佐久間にベンチに座らせられて
目を閉じるように言われる。
佐久間が変な言い方するから
目を開けたら
佐久間は居なくなってて
代わりにさっきの髪飾りの人が目の前に居た。
「すみません！さっき小さくて目が大っきくて色白の男の子居ませんでしたか？」
俺のあまりの慌てようにクスクス笑ながら
"本当に大切なものは手放したらダメだよ"
と言って、佐久間が向かった方向を教えてくれた
どれくらい走ったのか
目の前に見慣れた小さな背中を見つけて
近づく。
「あーぁ。阿部ちゃんを笑顔にするのは、俺がよかったなぁ…」
あぁ、どうしてこの人はこんなにも愛おしいのか…
「じゃぁ、佐久間がずっと隣に居てよ！俺を笑顔にしてよ！」
後ろから抱き締めると
佐久間はビクッと身体を震わせる。
「阿部ちゃん？え？何してるの？さっきの人は？」
泣いていたのか、それを隠そうとグイッと目を乱暴に拭う。
「あ、佐久間が居なくて心配した？でも、大丈夫だよ？佐久間も一人で帰れるから！」
グイグイと俺の背中を押す手はこんなにも小さいのに
どれだけ沢山の荷物を抱えようとするの？
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Winter(プロフ) - めぐみみさん» 初めまして！コメントありがとうございます。あべさくの話を気に入ってもらえたみたいで嬉しいです！次回は移行するので少し更新が遅くなるかと思いますが、今後もよろしくお願いします！ (2021年6月28日 23時) (
レス) id: 5bab791344 (このIDを非表示/違反報告)
めぐみみ(プロフ) - 初めまして。あべさくのお話のみですが、読ませて頂きました。どのお話も素敵ですが、千年続く恋が最初は切なくて最後に幸せになるっていうところがすごく好きだなと思いました！更新するのは大変だと思いますが、これからも頑張って下さいね。 (2021年6月28日 21時) (レス) id: c5a5d8f319 (このIDを非表示/違反報告)
Winter(プロフ) - シナモン党のチュロスさん» 初めまして！コメントありがとうございます！いわふかって独特の雰囲気ありますよね！あれ、好きです！亀更新かもしれませんが、これからもよろしくお願いします！ (2021年1月22日 15時) (レス) id: 5bab791344 (このIDを非表示/違反報告)
シナモン党のチュロス(プロフ) - 今回もいわふか最高です！今回初コメだと思うんですけど、なかなかコメントをしなくてすみません_(..)_ でも毎回読むたび面白いです！これからも頑張ってください。応援してます！ (2021年1月22日 12時) (レス) id: 0a35a9288e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：winter | 作成日時：2021年1月21日 22時
