宝物3【平野紫耀】 (ページ46)

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それからすぐに初コンサートの幕があいた。

ありがたいことにトップバッターはキンカンの7人に任され、ゆっくりとせり上がるメインステージに7人が並んで登場するというスタート。

しかも、初披露ということと、バランスも踏まえて最初の曲は私がセンターに立つことになった。

だだっ広いステージに7人だけで等間隔で並ぶというのは、緊張と共に、関ジュの代表だという重圧や責任感も生まれてくる。
他にもここに立ちたい人は沢山いるのだから。

でも不思議なことにこのメンバーと居たら、全く怖さは感じない。

ステージが上がり始めた頃には、今後への期待と楽しみが圧倒的に勝っていた。

よーし！！やってやろうじゃん♪︎！！！

そう思っていたのに……

客席が見えた瞬間に一瞬でそれどころではなくなった。

リハやゲネプロでは無かった、圧巻の景色が広がっていたから。

端から端まで満員のお客さんと、イヤモニをしていても聞こえるぐらいの割れんばかりの黄色い歓声、そしてジャニーさんが演出の1部だと言っていた綺麗なペンライトの海が会場全体に広がって見えた。

しかもそのペンライトが、このコンサートを機に決まった私のメンバーカラーのオレンジ色1色に揃えられていて、みんなが必死に振ってくれているのが見えたから、堪らず泣きそうになる。

今回のグッズのペンライトは何色かに色を変えられるものだから、みんながわざわざオレンジに揃えてくれたのだとすぐに理解出来た。

自分の好きなメンバーの色にしたい人も沢山いるだろうに。
それぞれの大事な瞬間を割いてでも、この景色を見せてくれたことに、感謝してもしきれない。

しかもイントロの音に負けないぐらい、みんなが私の名前を呼んでくれてるのが聞こえてくる。
ほんとに驚きだ。