稲荷崎の顔面国宝

第30話　バレー ページ32

「5本ずつレシーブー！ちゃんとセッターんとこ返すようになー！」

「「ハイ！」」



本格的に始まった練習。私はボールを監督にパス
何気にここのポジションは好きだったりする
皆のフォームとか課題とか、色々見つけられるから


………それにしても皆あんなに私のこと変人だと思ってたなんて失礼なやつらだな！！！



『5本成功です！』

「次！」



まあ、そんなこんなでレシーブ練習は終わり、サーブ練習、攻撃練習と次々にやっていく

あっお昼ご飯…
いつの間にかそんな時間になり身の回りのものを片付けて体育館を出た




「パタパタ動いてる可愛い………」

「お前ほんまにAが絡むとポンコツなるな」

「それはお前も一緒や」

「俺らは全員そうやろ」







『あ、先生どう………鼻血大丈夫ですか』

「大丈夫や。別に向坂の顔面が良すぎてとかではないから気にせんでな」




いや気にはなる



『そんなことよりおにぎりありがとうございます。あとどのくらい作ればいいですか？』

「(そんなことより…)あと20くらいやと思うんやけど……最近の男子高校生は食欲強いからなあ。向坂もあっちゅーまにパクッと喰われ」
『20個ですね分かりました』

「………向坂ァ…(泣)」




さっきから先生下ネタが多い
仮にもこっちは生徒で、しかも女子だから！！！！

先生を無視して手を洗い、ラップにお米を包んで三角にする

あ、鮭とかある、入れよ

そして私は先生の喋りをBGMに黙々とおにぎりを作った
わりといんじゃない？？
味噌汁も作り準備万端

するとちょうどいい時に部員たちの声が聞こえてきた
……………？足音がデカ…



「俺にご飯？お風呂？それとも私？って言うとくれ！！！！」

「いや俺に！！」

「俺やろ！！！」

「俺！！！」



と思ったら君たちね。もう慣れたよ
何言ってんの、と言おうとすると後ろから禍々しいオーラが

………oh…北さん……



「走ったと思ったらなんや、そんなくだらないこと言うために喧しくしたん？何がしたいん、」




2年生4人は縮こまり「スイマセン」と謝った
ははは、馬鹿だなぁ
私はにこり、と笑い4人に向かって口を開く




『そんな馬鹿なとこも好きだけどね、私は』




キョトン、とする4人と北さん
えっそんな珍しいかな
そう思ってると倫くんが膝から崩れ落ちた



「っっっっ…好きっ…」
「あかんて…」
「はぁ、尊い…」
「俺もお前が好きや……」



いや泣くな

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