稲荷崎の顔面国宝

第27話　命懸け ページ29

『おはようございます！』

「おはようさん」





日は経ち、合宿日になった。朝7時に集合という何時もの朝練と変わらない時間に俺らは校門の前に集まる。

監督とコーチがやってきて少し説明をし、「座席適当に決めてサッサと座っとれよ〜」と言ってまた校舎に戻って行った

さあ、戦争だ！！！





「Aの隣に座りたいやつこっち来て正々堂々ジャンケンや！！！」

「ツムやかましい」

「俺が隣座るんや！！！」

「残念だけど勝つのは俺」

「侑もおもろいこと言うな〜」

「運やしな、決め方に文句は言わん」





そう言って集まってきたのはガチ勢メンバー
赤木さんと大耳さんはニコニコしながらこっちを見守ってる

おい当の本人(A)が面倒くさそうな顔すんな





『そんなガチですることじゃないと思うんだけど………。精々2時間くらいでしょ？』

「その2時間に俺らは命懸けてんのや！！！」

『……北先輩とアランさんまで、』

「こんなん参加するしかないやろ？」

「会長やからな俺は」

『北先輩なんて？？』





北さんは華麗にAをスルーをし6人で向き合って拳を構える

絶対勝つ絶対勝つ絶対勝つ絶対勝つ




「行くで……」




たらり、一筋の汗が流れた
………喉乾いたんだけど、いやダメだ雑念は払おう
侑が大きな声を出した




「……ジャンケン、 ポン！」


「あいこでホイ！！」



「「うおあああああ！！！！」」






膝をつくもの、勝利して腕を掲げるもの、見れば一目瞭然、そして俺は






「っっっ………くっっそ………！！！」

「残念やったな角名」





前者である

あ"あ"っ……！治に取られるとか、くそっ！あっても北さんか侑だと思ってたのに…




「………まあ、しゃあないな」




北さんはふぅとため息をついて拳を下ろした
………そのグーの形のまま治殴ってくんないかな




「何でなん……俺、運なさすぎやない……？」

「なんでサムに取られなアカンねん……！！アイツの持ってきた菓子全部食ったろか！！？」



その一方銀と侑は地面に膝をついてショックでブツブツと喋っている
………俺はと言うと、



「………………」

『……いや怖いよ倫くん』



Aに無言のアピールだ
いや、ね？「倫くんが良い！」とか言ってくれるかもしれないじゃん…………ハイハイ無いです、そもそもそんなになるんだったらジャンケンしてません

俺たちは落ち込みながらバスに乗った





「これ唯の座席決めよな？」
「おん」

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