1-8 心臓が飛び出そう ページ9
チカの心臓が飛び出るかと思う位、ドクンドクンと大きく波打っていた。
しかし、チカは慌ててテヒョンを押し離す。
チカ「…テヒョン、ダメだよ…」
TH「なんで、ダメなの？」
テヒョンが優しく問う。
チカ「…だって…私だってテヒョンのことが好きだけど…。でも、こんなのダメだよ…」
テヒョンは、その一言を聞き逃さなかった。
TH「え？ヌナも僕のことが好きなの？じゃあ、僕達両思いってこと？」
チカは、つい本当の気持ちが口に出てしまったようで、慌てて口を押さえる。
チカ「え？あぁ、…うん…そうみたい」
テヒョンは急に立ち上がり、
TH「神様、ありがとうございます。天国のおばあちゃん、ありがとう」
手を合わせて、天に向かって拝む。
チカ「ちょっ、テヒョンっ、声が大きいよっ」
テヒョンをなだめようとチカが立ち上がると、テヒョンはそのままの勢いでチカを抱きしめた。
TH「やった。僕、ずっと前から、ヌナのことが好きだったんだよ」
チカ「え？ずっと前から？全然、そんな風に見えなかった」
TH「うん。ヌナの気持ちも分からないし、ずっと、隠してたんだよ。ヌナは？」
チカ「うん…私は、皆のお世話するのが仕事だし、テヒョン一人だけを特別扱いしちゃいけないと思って、気づかれないようにしてたの。それに、Army達にも申し訳なくて」
TH「そういう分け隔てしないとか、ヌナのいいとこだよね」
チカ「そう？」
TH「うん。ヌナはきっと、僕がBTSじゃなくても、好きになってくれてたと思う」
チカ「…うん、BTSのテヒョンも大好きだけど、普段のテヒョンは、…もっと好きだよ」
テヒョンが自分の事を好きでいてくれたことが分かり、もう気持ちを隠しておくことが出来なくなったチカ。
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作者名：happiness | 作成日時：2022年1月10日 21時
