1-3 耳元で ページ4
チカは、コンビニの中からビデオ通話を始める。
テヒョンのスマホに映像が映ると、メンバー達も興味深々に覗き込む。
TH「あー、たこ焼き欲しい」
JN「牛乳、オネガイシマス」
JK「お菓子、お菓子。カツ丼は？」
次々に欲しい物を選んだので、あっと言う間にカゴがいっぱいになった。
チカは会計を済ませて走って車に戻る。
TH「アリガトウゴザイマス💕」
子供のようにはしゃぐテヒョンとジョングク。
BTSの人気は今や全世界まで広がり、ちょっとした行動でも危険な事が起こりかねない。
日本に来る時はほとんど仕事だが、わずかなプライベートな時間を少しでも楽しんで欲しいとチカはいつもメンバー達の為に走り回る。
そんなチカのことがメンバー達は大好きである。
ホテルにつき、4人でエレベーターに乗り込む。
ソクジンとジョングクは入り口近くに立ち、大きな声で話している。
チカ(なんか、狭いな。ん、テヒョン、詰めすぎじゃない？)
テヒョンがチカの隣にピッタリとくっついている。
すると、テヒョンがチカの耳もとに顔を寄せると、小さな声で話す。
TH「ヌナ、あとで僕の部屋に来て」
チカ「えっ？(部屋って、どういうこと？)」
動揺するチカを見て、再びテヒョン。
TH「あぁ…日本語の勉強っ」
チカ「あ、そういうことね」
メンバー全員、デビュー前から日本語の勉強はしていたが、中でもテヒョンは一番熱心だった。
チカ「びっくりさせないでよ」
チカが小声で、テヒョンに突っ込みを入れる。
するとジョングクが振り返る。
JK「ヒョン、後で一緒にゲームしようよ」
TH「今日は疲れてるから、やめとく」
テヒョンは、勉強の邪魔をされたくないのでジョングクが部屋に来ないように嘘をつく。
JN「グク、俺の部屋に来ればいいよ」
そう言ってジンがジョングクの肩に手を置くと、
JK「ヒョン、いいの？じゃあ、後で行くよ」
ジョングクは、子供のような無邪気な笑顔でジンに応える。
甘えん坊の末っ子ジョングクと面倒見のいい長男ジン。
メンバーにとっては、日常の光景である。
エレベーターを降りる時、テヒョンはチカを見てウインクをした。
"あとでね"と言う意味だと思われるが、Army達が見ていたなら、一斉に叫ぶだろう。
チカ(テヒョンは、私のこと女と思ってないのかな。しかも、自分がアイドルだってことも忘れてるよ)
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作者名：happiness | 作成日時：2022年1月10日 21時
